所長「これは、プラネタリウムタイプみたいに、後ろに楽器が配置してあるわけじゃないし、コンサートタイプみたいに、コンサート会場の臨場感をだすほどでもないというもの。ちょっと聴くと2chステレオと変わらないのだが、広がりと立体感、音場感がグッと出る」
オーディオ君「ほう」
所長「言い換えれば、前方の2ch演奏をさらに深く立体的にさせるために、リアも使うマルチなんだ。これがすごく効果がある。これなぞ実際、ステレオだマルチだという枠を越えた“オーディオとしての新しい再生方法”のような気もするね」
オーディオ君「ふーん」
所長「なんでも、前方の奥行き感を出すには、2本のスピーカーだけでは無理で、マルチだと可能になるらしい。これに残響音が加わったら最高だよ」
新入所員「なんか、わかる気がする」
所長「どうだったかな? 以上がマルチチャンネルの響きの図説だ」
オーディオ君「でも実際は、今までの3つのように明確に分類されるわけじゃないだろ?」
所長「もちろん。わたしが言いたいのは…」
新入所員「音楽の種類、演奏場所、製作者の考え方などで、マルチにもいろいろなマルチがあるということなんですよね」
所長「おや、新人が最後にうまくまとめたね。一本とられた」
オーディオ君「ははは(笑)」
所長「とにかくSACDハイブリッド・マルチチャンネル収録盤なら、1枚でSACD2チャンネル、SACDマルチ、CDと聴けるんだ。“どれもアリ”でその時の気分で聴けばいいんだよ」
新入所員「ですね」
所長「これですべての問答も終了だ。あとはスーパーオーディオCDをどんどん聴いてくれ」
新入所員「わかりました。でも寂しいです」
オーディオ君「俺も。最初は冷やかしだったのに、いつのまにかオーディオの血が騒いで嬉しかった。所長の声を聞かないと…」
所長「ばかやろう。スーパーオーディオCDに耳をかたむけてみろ。そうすれば、わたしの声が聞こえるはずだ」
オーディオ君「所長!」
所長「泣いてるひまがあったら、SACDプレーヤーを買いに行こう。いい音がキミを待ってるぞ」
ふたり「はい!」