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カール・シューリヒト指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ブルックナー:交響曲第8番&第9番

ディスク
Bruckner: Symphonies 8 & 9
Charl Schurciht
Wiener Philharmoniker


録音
1961年(第9番)1963年(第8番)
輸入盤、EMI

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DISK1
第8番(ノヴァーク版)71分16秒
DISK2
第9番(ノヴァーク版)56分24秒

ハードカバーにブックレット。オリジナルLPのジャケット表裏写真や、レコードラベルの全面の写真。オリジナル・テープの写真など掲載。英文の解説も掲載。

このシリーズはジャケット内の袋がキツく(特に表紙、裏表紙につけられたもの)、裸でディスクを入れてあるので、ディスクを透明袋などに入れて収納するのがおススメ。

シューリヒトがウィーン・フィルを振ったブルックナーの名盤のSACD

 カール・シューリヒトがウィーン・フィルと録音したブルックナーは、当時のレコード・ファンに評判で、今日でも異才を放っている演奏です。EMIからSACD化されましたので、聴いてみました。

「あっ」という間に終わる、第8番第1&2楽章

 とにかく早い、これにつきます。
 交響曲第8番の第1楽章が、すいすいと進んでいきます。
 第2楽章も同様、あっという間に終わってしまう。「あっ」というのはもちろん比喩ですが、それくらい前に前に進んで行くのは確か。

 たいがいの演奏が、精神性を引き出すために、荘厳な演奏をするものですが、それはいいのですが、逆にいえば「いつ終わるかわからない、朝礼の校長の話」を聞いているように、自分がどこにいるのか分からなくなってしまうのが、これらの楽章でした(個人的意見です)。
 その点、シューリヒトの演奏は、どんどん進んで、角を曲がったらハイ、コーダになりました、といった感じ。「もう着いたの」と驚いてしまいます。

第3楽章「アダージョ」はカンタービレ

 とはいえ、早いぶん「深みがないな」とも思ってしまい、このテンポが目新しいだけで終わりそうな気配もありました。
 しかし第3楽章「アダージョ」。
 個人的には、この早さはドンピシャのテンポに思えました。
 早いからといって、上っ面なところがない。むしろメロディが浮かび上がり、“カンタービレ度”が増します。ウィーン・フィルも歌う。
 ゆっくりとして深みのある「アダージョ」は確かに幽玄だけれども、まるで「レクイエム」のように思えてしまうなかで、シューリヒトの「アダージョ」は肌艶のいい美女の美しさがあります。

 第4楽章「フィナーレ」ともなると、早いテンポは確信的にしっくりきました。ここでもオケは歌い、時にはマーラーの歌謡性を思い浮かぶフレーズも。
 第3楽章と第4楽章を聴き終わると、振り返って「あの第1楽章と第2楽章もアリではないか?」ともう一度聴いてみたくなるのです。
 これがこの録音の名盤の理由でしょうか。とにかく、長い第8番を苦手としている方にはおススメしたい演奏です。

第9番もテンポの早い名演、SACDの音もよし

 第9番も同じように早いテンポ。流れるように進んでいきます。
 第9番は最初からこのテンポでも満足。第8番よりは第9番のほうが、違和感なく受け入れられました。
 どちらもブルックナーを聴く前の「覚悟」のようなものは要りません、手許において時々愛聴したい演奏であります。

 SACDの音は第8番、第9番とも自然で繊細な響きです。第8番のほうがより繊細に思えますが、第9番の金管の炸裂も綺麗。
 古い録音とは全然思えない音で、かといって「高音質になった」と作為的なところも感じず、音楽に没頭してしまえる、それだけ、いい音だと思います。

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2012.5.5