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チャールス・マッケラス指揮スコットランド室内管弦楽団
モーツァルト:交響曲第38番~第41番

Hybrid Stereo/Multi-ch
録音2007年
輸入盤、LINN、2枚組
2008年リーダーズチョイス14位

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デジパック風3つ開きジャケット

現代オケでもキビキビとした、モーツァルト後期交響曲

 本作はモーツァルトの、最後の4つの交響曲を収録したものです。
 クラシック入門の頃は第39番から第41番のいわゆる三大交響曲をよく聴いていましたが、最近は第38番の〈プラハ〉もすごいなあ、と思います。
 〈プラハ〉は3楽章構成の変則的な曲ですが、第1楽章の導入部はオペラのようで、交響曲を越えたドラマ性を感じます。プラハで初演された「ドン・ジョバンニ」のデモーニッシュな雰囲気があります。
 もちろん、有名な三大交響曲も、聴けば聴くほど魅力は増すばかり。迫力では負けるけど、モーツァルトの交響曲はロマン派の交響曲とは比較できない素晴らしさがありますね。

 スコットランド室内管弦楽団は、モダン楽器オーケストラですが、室内オーケストラだけあって、軽快な演奏です。ヴァイオリンが両翼配置なのもいい。
 マッケラスの演奏はキビキビしており、トランペットやティンパニも、ピリオド楽器風にアクセントのきいた演奏をしているいる。なので最初は「あれ、古楽器オケかなあ?」と思ってしまったほど。
 現代楽器の血肉の良さと、編成の小ささがうまく調和し、モーツァルトの交響曲としては、ちょうどいい“スケール感”だと思いました。
 モーツァルトの交響曲は、テンポもこだわりたい。第40番はほんの若干早めだが、許容範囲。むしろモッタリやられるよりは好きです。他の曲は申し分なし。

 マルチチャンネルで聴くと、上等の天ぷらのようにパリっとした音が、ほどよい残響音とともに広がる。毎度のことながら、この空間は魅力的です。
 本ディスクは、レコード店のSACD試聴機で聴いて、音よりまず演奏のハツラツさに魅かれて買ったのですが、家のスピーカーで聴いてもいい音でしたので良かったです。

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2008.4.14