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トマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内管弦楽団
シューマン:交響曲第1番〈春〉

ディスク
Shumann
Symphony No. 1 in B flat major, Op. 38, "Spring"

Thomas Dausgaard
Swedish Chamber Orchestra


録音2005,2006
輸入盤、BIS

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収録曲
・交響曲第1番
・序曲「Die Braut von Messina」
・序曲「ゲノヴェーヴァ」
・"Zwickau"交響曲第1楽章
・序曲、 スケルツォとフィナーレ Op. 52

普通のプラケースに紙箱。紙箱のデザインはドアから向こうの景色が見える“Opening Door”シリーズ共通のもの。
ブックレットの表紙は、紙箱の扉の向こうの景色。ブックレットには英独仏語の解説。

スウェーデンのBISより、明るく躍動的な、春到来の交響曲

 本SACDはスウェーデンのBISレーベルからのリリース。スウェーデン室内管弦楽団とトマス・ダウスゴーによるロマン派音楽のシリーズ“Opening Doors”の1枚です。
 このSACDには、シューマンの交響曲第1番〈春〉と、序曲、交響曲の断章などが収録されています。

 メインの交響曲第1番は〈春〉という呼び名のとおり、第1楽章冒頭のファンファーレから雄大に開始。
 この開始早々のファンファーレから短調へ、さらに一転、明るいアレグロへと続く冒頭数分は、まるでベートーヴェンの田園交響曲での〈嵐〉から〈牧人の歌〉への展開を聴かせてくれるような感じです。

 この第1楽章は、明るい躍動的なリズム。シューマンらしい、胸に染み入るパッセージもちりばめられており、その名のとおり春到来を感じさせてくれる音楽であります。
 続く第2楽章もブラームスの先取りのような余情性。〈春〉はシューマンのなかでもとりわけ好きな交響曲ですね。

 演奏するスウェーデン室内管弦楽団は、室内オーケストラという小編成だけあって、モダン楽器ながら、贅肉のない筋肉質なサウンドです。ちょうどヤルヴィ指揮するのドイツ・カンマーフィルと同類の音と言えましょう。

高原の空気のような、澄んだサラウンド空間

 SACDステレオでの音ももちろんいいですが、やはりマルチチャンネルで聴くと、音に立体感と潤いがでます。
 このマルチチャンネルは、ホールトーンはことさら意識されないものの、高原の空気のような澄んだサラウンド空間があらわれます。BISのサラウンドはとてもクリアで印象的です。

 澄んだ空気ながら、音のやわらかさも十分。スウェーデン室内管弦楽団の筋肉質な音を、やわらかい響きで聴く、という相矛盾するような状況も大変に心地よいわけです。

 前方の音のリアル感(立体感)は、どの曲でもたいしたものですが、特に金管が現れるところで強く感じます。弦楽器の“弾力のある切れ味”は最後の「序曲、スケルツォとファンファーレ」で、特に堪能できました。

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ダウスゴー指揮のSACD
B000M2E408 シューマン:交響曲第2番ハ長調 Op.61、交響曲第4番ニ短調 Op.120(原典版)
B001DSR9PM Schumann: Symphonies Nos. 3 & 4 [Hybrid SACD]
B000TLEGR8 ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」 [import](Dvorak:Symphonies Nos 6 & 9)
2011.4.21