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ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団
チャイコフスキー:交響曲第4番、序曲「ロミオとジュリエット」

B004GX91MK
Tchaikovsky
Symphony No. 4/Romeo & Juliet

Mikhai Pletnev
Russian National Orchestra

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録音2010年6月モスクワDZZスタジオ
輸入盤 Pentatone

角の丸いプラケースにブックレット。ブックレットにはライナー。写真はなし。

収録曲

チャイコフスキー:
交響曲第4番
序曲「ロミオとジュリエット」

プレトニョフ&ロシア・ナショナル管のチャイコが再録音

 本作はミハイル・プレトニョフがロシア・ナショナル管弦楽団を指揮したチャイコフスキー交響曲第4番です。
 このコンビは、1996年、グラモフォンに録音したチャイコフスキー交響曲シリーズが鮮烈でした。
 そのプレトニョフとロシア・ナショナル管弦楽団が、2010年より、再度チャイコフスキーの交響曲全集を完成させるのに選んだのがPentatoneなのですから、高音質ファンとしてこんなに嬉しいことはありません。さっそく聴いてみました。

高校生のときから戦慄した〈運命のファンファーレ〉

 交響曲第4番は、第5番や第6番〈悲愴〉よりは軽量の交響曲ですが、個人的には一番「突き刺さる」交響曲です。

 初めて聴いた高校生のときから、冒頭のホルンやトランペットのファンファーレに戦慄を覚えてきました。〈運命のファンファーレ〉と呼ばれるこのメロディは、まるでナイフのように僕の心をえぐるのです。

 しかし、だからこそ聴きたくなるのが、この交響曲なのであります。ファンファーレとは対照的に、甘く魅惑的なメロディが豊富なのですから、まさに「アメとムチ」。
 交響曲第4番を聴くときには、第5番や第6番〈悲愴〉にはない“覚悟”がいるところが好きなのです。

スピーカーの存在が消えるサラウンド

 本作は「やっぱりPentatoneだ」と思わせるサラウンドを聴かせてくれます。スピーカーの存在は消え、大きなオーケストラ・サウンドが現れます。

 スピーカーから出た音は、直接耳に届くというより、一旦サラウンド空間に溶け込んで、それがリスナーを包むという感じ。スタジオ録音なのに、ホールのような広々とした音場です。

 ナイフのように僕を突き刺していた〈運命のファンファーレ〉も、マイルドな空間ですと、必要以上に神経質なところが薄れて聴きやすいです。あと弦楽の綺麗さは言うまでもありません。

オーケストラがお花畑のように

 ただしマイルドと言っても、迫力はあります。
 トゥッティはサラウンド空間にたっぷりと、残響やホールトーンを体積して音になるので厚みがあります。これが2chにはない迫力を生み出すのです。

 第2楽章のオーボエ・ソロも、2chなら「1人で吹くソロ」でしょうが、サラウンドでは「ポツリと1人で吹くソロ」になります。オーケストラの各楽器の位置が感じられて、楽器のお花畑を望む感じです。

 プレトニョフとロシア・ナショナル管は、第4楽章を怒濤に盛り上げて交響曲をしめくくります。
 交響曲を聴き通す時、曲想のなかを旅しているような感じがするものですが、サラウンドでは本当に、現実から離れて旅してきた感じがするのでした。

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プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団のSACD
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2014.4.28