topaboutblogclassicaljazzpopsjpopselect
S

ギュンター・ヴァント指揮/北ドイツ放送交響楽団
ベートーヴェン交響曲全集


録音:1984年11月~1988年
ハンブルク
国内盤、BMG JAPAN

5枚組ボックスセット(プラケース5個とブックレット1冊)

このセット、初回限定版です。上の写真はボックスのもの。

DSDマスタリングは「XRCD24シリーズ」で著名なエンジニア杉本氏によるもの。CD層も、オリジナル2チャンネルマスターから、今回リマスタリングされている。

ブックレットは、ヴァントの対談、北ドイツ放送交響楽団との演奏記録、解説などなど、内容もたくさん。字が小さいので、けっこうな量です。

 ギュンター・ヴァントが80年代に北ドイツ放送交響楽団と録音した〈ベートーヴェン交響曲全集〉が、SACD化されました。いずれも、音質のすぐれたオリジナル・マスターからのSACD化です。日本独自企画だということですが、やってくれますね!

ベートーヴェンの楽譜から、忠実に生まれてきたような演奏

 こういうベートーヴェンの交響曲を聴いたのは初めての経験でした。
 今までの大指揮者の演奏は、聴いていると「ああ、やったな」と思う個所があったものです。つまり指揮者の“解釈”というか、”才能”による演奏の仕方。
 ワルターでもバーンスタインでもいいですが、そんな、各指揮者の振り方に惚れて聴くのが、まあクラシックの楽しみなのですが、このヴァントの演奏には、そんな指揮者の「やったな」というところがない。
 まるでベートーヴェンの楽譜から、忠実に音が生まれたような気がします。それが批評のための言葉ではなく、実際に聴いていてすごくわかりますね。演奏は、めっちゃ緊張感があるのに、気持ち良いくらいストレートに自分のなかに入ってくるわけです。
 不純物がないところが、実に快感です。このヴァントの演奏に比べると、いわゆるオリジナル楽器でのオリジナル演奏でさえ、「実際は演奏的に不純物がある?」と色褪せてしまうくらい。
 でも、ヴァントの演奏は、ただオリジナルに忠実だけでなく、実は精神的に高く磨き上げた解釈が全編に注入されている、のは間違いないところ。それは聴いているとひしひしと感じます。とても素晴らしく、希有な演奏だと思いました。

オーディオ的にも満足です

 そんな素晴らしい演奏が、SACDののびる音で聴けて、ホントこの企画、感謝ですね。
 すべてSACD/CDステレオによる収録。マルチチャンネルはなしです。オーケストラがいいのかなあ、オーディオ的にも、広がりと伸びる音が魅力です。SACD2チャンネルで、2チャンネル再生の満足感に浸れると思いますヨ。

2007.4.30