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フランソワ・ルルー(オーボエ)ヨーロッパ室内管弦楽団
主よ、人の望みの喜びよ~バッハ:オーボエ協奏曲集


5.0chマルチ
国内盤、ソニー・ミュージックJI

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フランソワ・ルルーはフランスのオーボエ奏者だそうです。「主よ、人の望みの喜びよ」、管弦楽組曲からの「アリア」、復活祭オラトリオからの「アダージョ」が小品として併録されている。これらは、奏者であるルルー自身の編曲によるもの。

バッハの失われたオーボエ協奏曲の復元

 「主よ、人の望みの喜びよ」は、バッハのカンタータで歌われる有名なコラール曲ですが、このアルバムタイトルに「ライトなクラシック・アルバムか?」と勘違いされそうですが、これは聴きごたえのある〈オーボエ協奏曲集〉です。

 バッハのオーボエ協奏曲は、現在のこされていませんが、バッハがオーボエ協奏曲を作らなかったわけではないらしい。実は自分用に所蔵していたとか。
 その失われたオーボエ協奏曲を、現存するチェンバロ協奏曲や、カンタータから復元した作品が、このSACDには収録されているわけです。「オーボエ協奏曲へ長調」「オーボエ協奏曲二短調」「オーボエとヴァイオリンのための二重協奏曲」。
 いくつかのチェンバロ協奏曲を知っている人は「お、これがオーボエ協奏曲だったのか」と、ちょっぴり感動する。オーボエという楽器で歌われると、もっとよく感じるからです。
 特に「オーボエとヴァイオリンのための二重協奏曲」は、「2台のチェンバロのための協奏曲」の原曲と考えられている曲ですが、2台のチェンバロで演奏されるより全然いい、と個人的には思います。
 これらの復元は音楽的に実りがあり、現代のリスナーにはうれしいプレゼントだと思います。小難しいことは考えなくても、心の清涼となる音楽ですね。それでいて「深い」のですから、やはりバッハはいいです。
 バロック音楽は、ロマン派交響曲のように、音の強弱が極端ではないから、音量を気にせずに聴けるのがうれしい。曲が文句なしに良いし、聴きやすいSACDだと思います。

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2007.10.6