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小山実稚恵(ピアノ)ヤツェク・カスプシク指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア
ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番

ディスク
Michie Koyama
Chopin : The Piano Concertos


録音2009年5月ワルシャワ
国内盤、ソニーミュージック
SACDハイブリッド

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普通のプラケースにブックレット。ブックレットにはライナー「新たなショパン像へ誘うナショナル・エディションによる初録音」。曲目解説、演奏者解説。

小山実雅恵、初のショパンのピアノ協奏曲

 本SACDは小山実雅恵の、意外にも初録音となるショパンの二つのピアノ協奏曲を収めています。楽譜がショパン・ナショナル・エディションによる初録音。レコーディングは2009年です。
 シンフォニア・ヴァルソヴィアは、80年代にメニューインが主席客演指揮者、その後も1997年に作曲家ペンデレツキが音楽監督、2004年にはテノール歌手、ホセ・クーラが主席客演指揮者となるなど、世界的に活躍する中規模オーケストラです。

重厚でロマンチシズムあふれるショパン

 僕だけでしょうか、ショパンのピアノ協奏曲というと、どうも作曲家のイメージが先行してしまいます。「繊細で女性的、ピアノの調べを楽しみましょう」というような印象。
 小山実雅恵の演奏はそんな思い込みを、くつがえすようなものでした。
 第1番、第2番とも、ピアノ・パートがとても厚みのあるロマンチックさ。それにからむオーケストラも、「ショパンのオーケストレーションは稚拙」と誰が言ったのでしょう、十分すぎるほどロマンチックです。
 このピアノとオーケストラの造り出す重厚なロマンチシズムは、「まるで、ラフマニノフのピアノ協奏曲のよう」と思ったくらいです。
 どちらの協奏曲とも、小山実雅恵の力強く、ダイナミックなピアノの動き、内面的な叙情性(特に第2番の第2楽章)に聴きほれてしまいました。
 ジャケット写真は、パステル調で優雅な趣きですが、もっと重たいイメージのデザインにしても、十分ピッタリくる演奏です。99年にツィマーマンがグラモフォンに録音した演奏に通じると書けば、分かってもらえるでしょうか。

SACDの音

 SACDはマルチチャンネルで聴きました。
 前方に広く懐の深い空間があらわれます。オーケストラはうまくブレンドされた全体音で鳴る感じ。でも、木管のソロや弦のアンサンブル、フォルテなどは、立ち上がりよくこちらに迫ってきます。
 ピアノもオーケストラと同距離にあるような感覚ですが、これもフォルテッシモでは、力強い音となって体積を増します。逆にピアニッシモ
では可憐な感じ。
 つまり、生で協奏曲を聴くのに近い空間になっています。左右、後ろに広がりは感じるが、残響自体は少なめ。前方の懐の深い空間と響きが印象的。 

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2011.3.6