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シュタルケル(チェロ)
シューマン、ラロ、サン=サーンス/チェロ協奏曲

シューマン、ラロ、サン=サーンス
チェロ協奏曲
Starker(vc)
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ、アンタル・ドラティ指揮、ロンドン交響楽団
録音1962、64年

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20世紀の偉大なチェリスト、シュタルケルのSACD

 1924年、ブダベスト生まれ。20世紀の偉大なチェリストのひとり、ヤーノシュ・シュタルケルのSACD。マーキュリーの「リビング・プレゼンス」シリーズの1枚です。
 シュタルケルは若きころ、コダーイの〈無伴奏チェロ組曲〉を録音して、一躍、この曲を有名にしたチェリストです。
 このマーキューリーに吹き込んだ音源は1962、64年ということで、音も結構いいですね。SACDで聴くと、文句なしにまろやかで厚い音になっています。
 シューマンの〈チェロ協奏曲)は本当にいい曲だあ。ドボルザークの〈チェロ協奏曲)と双璧だとわたしは思います。
 それを弾く、シュタルケルのチェロがまたいい! 音から放出する熱意といいますか、わたしは大好きです。シュタルケルを聴くと、他のチェリストでは物足りなくなってしまいます。愛聴盤にしたい1枚だなあ。

オリジナルの3トラックではチェロがしっかりと存在する

 マーキュリーのオリジナル録音は、センターマイクを立てた3トラック録音でした。
 SACDステレオでは、オリジナル3トラックからDSD変換したものを、オリジナルLPのミックスに可能なかぎり近づけたミキシングがされているそうです。シュタルケルのチェロは、若干左右に広がりぎみなものの、オーケストラと溶けこんだ、オーソドックスで聴きやすいものです。
 マルチチャンネルには、オリジナルの3トラックをそのまま入れてあります(これがウリ)。左右スピーカーとセンタースピーカーでの3トラック。リアスピーカー、サブ・ウーファーからは音がでません。
 マルチチャンネル(オリジナル3トラック)では、チェロがセンターしっかりと定位します。オーケストラとは別のものとしてハッキリ存在してくれます。左右から音をだして中央に音があるように聞えるファントム方式とは、ニュアンスがちがいますね。
 マーキュリーの録音は、補助マイクを使わず、またミキシングでバランスをいじることもせず、ストレートに録音しているので、その良さも3トラックでは聴けます。 

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2005.10.23