topaboutblogclassicaljazzpopsjpopselect
S
クヌド・ヴァッド(オルガン)
J.S.バッハ:オルガン作品全集(18枚組)


Kund Vad
J.S. Bach : Organ Works (Complete)
Hybrid Stereo/Multi-ch
輸入盤、Membran Music
録音2001〜2002年

Amazon

SACDハイブリッド盤18枚組。
箱は厚さ6.5センチ。その中に6枚づつがワンパックで能率的に収納されている。

ブックレットは英独仏西4カ国語の解説。全曲目の解説がつくが、解説は3行くらいから長くても十数行。簡潔な英文で、要所を押さえた非常にわかりやすいもの。日本語訳がなくても事足りるので重宝だ。

あと使用オルガンのストップの解説、演奏者ヴァッドの解説もそれぞれ1ページあり。

バッハのオルガン作品を。SACD18枚に収録

 バッハのオルガン作品の全集です。録音も2001〜2002年と新しく、マルチチャンネルも収録。SACDハイブリッド盤18枚というセットです。
 演奏をするのは1964年にソロー市修道院の教会オルガニストに就任したクヌド・ヴァッド。録音はソローのモネステリー教会の1942年製マルクッセンオルガンでおこなわれました(オルガンの構造は16世紀のようです)。

教会のようなサラウンド空間

 マルチチャンネルで聴きましたが、リスニングルームに広がるオルガンの響きに感動です。まるで教会で鳴っているような空間と残響。おなじクラシックでも、オーケストラのマルチチャンネルとちがって「天井が高い」印象。前方のオルガンの音もスピーカー位置より「高めのところで鳴っている」感じを受けました。
 音も100点満点。雄大な部分での厚みと迫力はばっちり。低音も重低音でありながらふくよかで柔らかめです。サブウーファーから音は出ておりません(サブウーファーはほんとSACDでは必要なしですね)。
 オルガンはシンセサイザーのようにいろいろな音色を出します。弱音のピロピロと鳴る音もいいです。このときの縮小した音像もリアルです。
 曲の最後のコードは壮大に鳴り響き圧倒されます。それが消えた瞬間の残響の消えていく様はマルチチャンネルならではです。
 このSACD18枚組セット、知らないレコード会社だったし、値段も格段に安かったので、音質やマルチチャンネルの出来に「大丈夫か?」と不安を持っていましたが杞憂でした。メージャーレーベルの音とまったく変わりません。もちろんSACD2chで聴いても素晴らしいでしょう。
 今やクラシック界は、小レコード会社の演奏、録音ともあなどれない時代です。SACDのリリースではそれが顕著だと思いました。

オルガン全集はバッハの世界、夜な夜な聴く癒しでもあり

 それにしても、バッハのオルガン作品はすごいですね。
 「トッカータとフーガ」「バッサカリアとフーガ」「トリオソナタ」など、有名なものは知っていましたが、この全集で知らないものを聴いていくと、もっと素晴らしい作品がたくさんありました。
 どの作品にもバッハの世界があります。オルガン作品はバッハの世界をストレートに聴かせてくれる気がしました。
 正直、この全集は「全部聴かなくてもいい」つもりで買いましたが、全部聴いてしまうことは確実です。全集でそろえて正解でした。
 先に書いたマルチチャンネルが、また聴く気にさせてくれます。本当に素晴らしいサラウンド空間で、どちらかというとシリアスな音楽なのですが、癒し系音楽のように浸ることができるのです。1枚づつ、夜の癒しとして聴いています。

Amazon

2009.7.11