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下山静香(ピアノ)
ファンダンゴ~Shizuka plays イベリアンバロック


録音2003/8/26、2004/2/4
三鷹芸術文化センター風のホール

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M.アルベニス「ソナタ」
D.スカルラッティ「ソナタK.33」
A.ソレール「ファンダンゴ」
D.スカルラッティ「ソナタK.208」
D.スカルラッティ「ソナタK.466」
C.デ.セイシャス「ソナタSK.28」
他全11曲

イベリアンバロックを堪能できるSACD

 『ファンダンゴ~Shizuka plays イベリアンバロック』は、前CD『アランフェス~ピアノ・リサイタル』につづく最新ディスク。SACD/CDハイブリッドでのリリースであります。

 『ファンダンゴ』で下山さんが演奏しているのは、アルベニス、スカルラッティ、ソレール、セイシャスというイベリア半島ゆかりの作曲家である。
 このうち、スカルラッティはともかく、18世紀スペインの作曲家ソレール、セイシャスの曲を聴いたことがある人は、そんなに多くないと思う。
 バッハやヴィヴァルディとはちがったバロック一一イベリアンバロック一一が聴ける本ディスクは、珍しいだけでなく、曲順もうまく構成されていて、アルバム全体がひとつのコンサートのように聴けます。

ドイツやイタリアとちがうイベリアンバロック

 アルバムタイトルになったソレールの「ファンダンゴ」は、アルバム前半のハイライトといっていいくらい、熱い演奏だ。
 民族的舞曲ファンダンゴ(4分の3拍子)によるこの曲は、フラメンコ調で、バロックとは思えないくらいリズミック。
 厳格なバッハや、ひたすら明るいヴィヴァルディとは一味、というか明らかにちがう。バロックもお国柄でちがうのだなあ。

 スカルラッティはイタリアの作曲家だが、聴いていて、スペインの作曲家にまざっていても違和感がない。
 「あれえ、スカルラッティって、スペイン風だなあ」と思ったのだが、解説書を読んだところ、スカルラッティは後半生をもっぱらイベリアの地で作曲したのだそうだ。どうりで。
 ホールの反響をしっとりと含んだ音は、宮廷気分で聴いている感じがして、そこもいいです。
 バッハやヴィヴァルディには、異国情緒も感じないくらいバロック慣れした我ら日本人ですが、このSACDではたっぷりと味わえることでしょう。

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2004.3.29