topaboutblogclassicaljazzpopsjpopselect
S
グレン・グールド
J.S.バッハ:イギリス組曲(全曲)


BACH:THE ENGLISH SUITES
GLENN GOULD

Amazon


録音1971〜1976年
国内盤、ソニー・クラシカル
SACDハイブリッド2枚組
音匠レーベル・コート仕様

収録曲
ディスク1
・イギリス組曲第1番
・イギリス組曲第2番
・イギリス組曲第3番
ディスク2
・イギリス組曲第4番
・イギリス組曲第5番
・イギリス組曲第6番

パッケージ
昔ながらの厚いプラケースにブックレット。

ブックレット
ブックレットには以下のライナー。
・レスリー・ガーバー「イギリス組曲」(米国初出盤のライナー翻訳)
・ミヒャエル・シュテーゲマン「スタジオの子宮的な安心感の中で-グールドの〈イギリス組曲〉」(1994年発売のライナー翻訳)
・アンドレアス・K・マイヤー「グールドをリマスターするということ」

音匠レーベル・コート仕様

〈音匠〉とは、レーザーの赤色光線の補色となる特別な緑インクを使用して、読み取りを助け、より高音質にする技術。
音匠仕様のSACD
音匠について書かれたレビュー

ソニーの国内企画〈グールド生誕80年記念〉SACDハイブリッド

 本作は2012年、ソニーから国内企画としてリリースされたグレン・グールドのSACDハイブリッド盤のひとつです。
 リマスターはこれまでもグールドのリマスターを手がけたアンドレス・K・マイヤーで、彼のライナーによれば、グールドが初出LPで承認した(または関わった)2トラックの〈プロダクション・マスター〉を参照しながらの、リミックス、マスタリングがおこなったそうです。CD層も新たにリマスターされています。
 さらにディスクも、ソニーの音質を向上させる技術〈音匠レーベル・コート〉になっています。


音匠レーベル・コートのアップ。ディスクタイトルの印刷も読み取りを邪魔しないために、円周に書かれているだけ。

70年代、アナログ録音全盛時代のグールドの音

 グレン・グールドというと、特異な演奏に心奪われて、音質への希求が薄れがちでした。
 グールドの録音というと、つい「古い」と思いがちです。

 なるほど、今まで発売されていたグールドのSACDの録音は、『イタリア協奏曲』が1959年録音、『インベンションとシンフォニア』が1964年録音。『ゴルトベルク変奏曲』が1981年のデジタル初期録音であることを考えると、SACDの高音質には今ひとつ生かしきれていないタイトルでした。

 しかし、この『イギリス組曲』が録音されたのは1971年から1976年。アナログ技術が円熟をむかえる時期にあたります。
 このSACDから出てくるグールドのピアノ音は、演奏と同じくらい、オーディオ的にも満足でした。「澄みきった、なめらかな音質」であります。

極上のマルカート演奏の音

 目の前にあらわれるピアノ音は、かなりナマに近い音。それが柔らかい空間の中で響きわたります。
 グールドは本作でも、「ト、ト、ト、ト!」と、マルカート(音をくっきりと)やノン・レガート(音を短めに)全開の演奏を繰り広げますが、「澄みきった、滑らかな音質」ですので、「ト、ト、ト、ト!」がキモチいいの、なんのって。
 『イギリス組曲』特有の、明るい曲調(言葉を変えれば「ノリノリ」の曲調)と相まって、SACDでは、眼前に極上のマルカート演奏の音が繰り広げられます。

 オリジナル・アルバムの発売は、アメリカで1977年でした。
 『フランス組曲』はバラで発売されたのに対して、この『イギリス組曲』は2枚組の全集として一気に発売されました。そんなまとまりの良さも、このSACDハイブリッド盤を所有するとき、「ふふ」と思うところです(できれば紙ジャケにしてほしかった)。

B0090S4CDO
グレン・グールド/バッハ:イギリス組曲(全曲)

〈グールド生誕80年記念〉SACDハイブリッド
B0090S48H4 バッハ:平均律クラヴィーア曲集(全曲) B0090S4C2K バッハ:フランス組曲(全曲)&フランス風序曲
SACDラボレビュー
B0090S47BQ バッハ:パルティータ(全曲)    
2013.5.16