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スゼー(Br) ドビュッシー:メロディ(フランス歌曲集)

ジェラール・スゼー(バリトン)
ダルトン・ボールドヴィン(ピアノ)
Hybrid
国内盤、ユニバーサル

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ドビュッシー、妖しく雅な歌曲集

 最近、聴いて「よかったなあ」と思ったSACDです。
 ジェラール・スゼー(バリトン)、ダルトン・ボールドヴィン〈ピアノ)による『ドビュッシー:メロディ(フランス歌曲集)』(国内盤、ユニバーサル)。ハイブリッド盤、SACDステレオです。
 ジャケットを見てわかるとおり、グラモフォンの昔の名盤のSACD化。音を聴くと1961年録音とは思えないくらい鮮度がある音で、すごく気に入りました。声とピアノだけだから余計に感じるのでしょうか、SACDでは声の艶がたまりません。

 僕は歌曲はソプラノは、まあ聴きますが、バリトンは苦手でした。
 バリトンの歌曲って、なんか「ぬめ~」としている感じで、気色わるかったんですね(失礼)。
 でもこの、スゼーの声はちがいました。バリトンの特質である太い声。「ぬめ~」というより、もっとハッキリとした感じです。
 スゼーのバリトンで聴くと、ドビュッシーの歌曲もいい。
 妖しく神秘的なドビュッシーの雰囲気が、こちらにも分かりやすい。バリトンが分かりやすいと、なぜか伴奏のピアノも「すごくドビュッシーしている」、とこれまた分かりやすい。
 ドビュッシーって一般に、印象派と思われていますが、作家のアラン・ポーが好みでもあったように、“魔術的”なところが好きな一面もあったんですよね。その「妖しさ」がこのディスクで味わえて良かったです。もちろん印象派的なフレーズは健在ですけれども。

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2008.3.20