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クラシック・スーパーオーディオCD(SACD)おすすめソフトレビュー

カークビー(ソプラノ)、ルーリー(リュート) 
蜂の巣からの蜜〜ダウランド:リュート歌曲

HONEY FROM THE HIVE
SONGS BY JOHN DOWLAND

録音2004年4月
BIS-SACD-1475

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EMMA KIRKBY SOPRANO
ANTHONY ROOLEY LUTE

曲は〈エセックス伯〉、〈ベッドフォード伯夫人ルーシー〉。〈女王エリザベス1世〉、〈ヘンリー・リー卿〉のために作られた曲がならぶ。
数年前、カークビーとルーリーが来日したときと同じプログラム構成である。なので、かなり歌い込んでの録音でしょうね。

エリザベス朝の歌を、エマ・カークビーの晴朗なソプラノで

 とうとうソプラノのエマ・カークビーの歌声が、スーパーオーディオCDで聴ける。うれしいかぎりである。

 エマ・カークビーは80年代始めくらいから活躍している歌手。ビブラートを排したその晴朗な歌声は、一般にイメージするソプラノのそれとは一線を画すものだ。とても貴重な歌手だと思います。そんなエマ・カークビーのSACDが発売されました。伴奏のリュートは旦那さまのアントニー・ルーリーが弾いています。

 ダウランド(1563-1626)はエリザベス朝時代のリュート奏者で、ヨーロッパのいろいろな国を遍歴、お付のリュート奏者をつとめました。
 しかし帰国後、ダウランドは女王エリザベス1世につかえる夢をもったのだが、女王のほうはダウランドを採用しなかった。なんか哀しい人生を歩みました。
 そのかわり、女王エリザベス1世やいろいろなパトロンのために珠玉の歌曲を作曲したのは、後世のわたしたちには幸運だったと言えるでしょう。
 このSACDのタイトル「蜂の巣から蜜」も、女王蜂のために、せっせと蜜(歌曲)を作りだしたダウランドの生涯をたとえているわけです。

一聴して薄味、だが、これが濃い

 さてダウランドの歌曲。先に書いたように伴奏はリュートのみである。リュートはほんとうに消えそうなか細い音。そこにカークビーの透明な声が、しっかりと歌い込んでいく。
 普通のクラシックにくらべると年代が古いので、バロックとくらべてさえ、ダウランドの曲はほんとうにシンプルだ。
 シンプルだけでなく薄味。初めて聴いた人は、たとえると「塩を入れないおにぎり」くらい頼りないものに思うだろう。
 でも、がまんして聴くと、これで十二分に味があるのがわかる。それに気づけばシメたもの。素晴らしい曲の数々は一生の友達になることは間違いありません。歌詞が英語なのも、日本人には心に染みる助けになってます。

残響たっぷりの空間を聴きましょう

 カークビーの歌声は、今までのCDでも、ホールや修道院の残響を生かした録音だったが、このSACDもたっぷりとした残響のなかで歌われる。
 リュートとソプラノだけ、という最小音を、高音質のSACDで鳴らすのだから贅沢な再生である。
 SACDステレオでは伸びやかに声と残響音が広がる。マルチチャンネルでは、それが完全に回り込んで空間になる。いいですね。

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2006.4.27

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