アーノンクール、22年ぶりの再録音
アーノンクールは、昔は異端児みたいな感じでしたが、いつのまにか大御所の指揮者になった気がします。今やウィーン・フィルとブルックナーまで振っているのですから、王道ではないですか
でも、やはりバロックもやってます。ヘンデルの「メサイア」は、アーノンクールにとって22年ぶりの再録音だそうです。
「メサイア」には有名な「ハレルヤ」以外にも親しみやすい曲が多い。特にソロより合唱に印象的な曲が多い気がします。
そんな「メサイア」ですが、アーノンクールは決して派手にやらず、やわらかく、やさしく演奏しているように感じました。
第11曲の合唱「ひとりのみどり子が、私たちのために生まれる」は、僕の好きな曲ですが、これもアーノンクールは決してリズムを強調しない。
この曲はリズムを強調するとカッコいいのですが、アーノンクールはフワ~と進めます。有名な「ハレルヤ」の合唱もそう。出だしは派手にいきたいところですが、そうしない。それでだんだん盛り上げていく、という感じです。表面的なところよりも、深いところの表現に重きをおいている感じですね。「さすがプロ」と、こちらはシロウトぽく感心してしまいました。
マルチチャンネルは合唱でより実感
2004年12月、ウィーン・フィルの本拠地ウィーン・ムジイークフェラインザールでのライヴ録音。
このマルチチャンネルは、ホールの感じがよく出ています。音響がきれいです。演奏自体は、ステレオ再生みたいに前方からの音に聴きいるわけですが、合唱がホール感をたっぷり含んで鳴るところは、「マルチだなあ」と実感しますね。
国内盤のブックレットには、82年録音時のアーノンクール自身による解説(というか分析?)の改訂版の日本語訳が載っています。字が細かくて、けっこうな量です。
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アーノンクール、その他のSACD
2008.4.16
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