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ラインズドルフ指揮ローマ歌劇場管弦楽団、ブリギット・ニルソン、ビョルリング、レナータ・テバルディ
プッチーニ:歌劇〈トゥーランドット〉


Pucchini
TURANDOT

Erich Leinsdorf
Rome Opera Orchestra

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(3ch)
録音1959年
輸入盤、Sony/BMG
SACDハイブリッド2枚組

角の丸い1枚ものプラケースにSACDを2枚収納。
ブックレットには英文ライナー。録音風景の白黒写真が少々。
歌詞はありません。

ディスク1 54分06秒
ディスク2 60分55秒

B000G759LM
ジャケット裏

当時のドリーム歌手がそろった〈トゥーランドット〉の歴史的名盤

 50年代、60年代のステレオ初期の名録音〈リヴィング・ステレオ・シリーズ〉にはオペラもあります。本作〈トゥーランドット〉はそのなかの1枚。

 まず歌手が素晴らしいです
 ワーグナー歌手として有名なソプラノのブリギット・ニルソンは、このトゥーランドット役でも人気でした。たしかにニルソンの威厳と迫力の歌唱はトゥーランドットにピッタリです。

 カラフ王子にはテノールのユッシ・ビョルリング。
 熱いテノールながらも、透明感のある声が魅力です。メトロポリタン歌劇場で活躍しつつも、残念ながらこの録音のあと1960年に若くして亡くなってしまったので、なおさら心に染み入ります。

 そしてなんと、当時マリア・カラスのライバルとも言われたレナータ・テバルディがリュー役。テバルティのような大物が、タイトル・ロール以外を歌うというのもすごい。
 他の歌手も素晴らしいのですが、当時のドリーム歌手をそろえた〈トゥーランドット〉は大変貴重です。

1959年録音とは思えない音質

 本作の録音は1959年ですが、 他の〈リヴィング・ステレオ・シリーズ〉のSACDと同じく、素晴らしい音を堪能できます。

 ラインスドルフの指揮するローマ歌劇場管弦楽団は、弦の音こそ硬めですが、プッチーニ最後のオペラを豪快に鳴らします。
 大太鼓の音には「重低音でも入っているのか」と思うほど。
 それが「剛」だとしたら、オーケストラや合唱隊の遠近感も随所に感じられ「柔」も感じる録音。

 しかし、なんといっても素晴らしいのが声楽で、歌手たちがオン・マイクぎみに、その美声を発揮します。
 ディスク2の第2幕「謎解き」の場面では、右スピーカーにニルソン、左スピーカーにビョルリングで、音楽的にもオーディオ的にもすさまじいやりとり。
 そのあと第3幕の有名な「今夜は誰も寝てはならぬ」ではテノールが甘く響きます。ビョルリングのテノールは、どこか清涼な感じがするのです。

3スピーカーによる再生

〈リヴィング・ステレオ・シリーズ〉SACDのウリは、当時のオリジナル3トラックが、そのままマルチチャンネルの左右スピーカー、センタースピーカーで聴けることです(リアスピーカーに音はなし)。
 本作ももちろんマルチチャンネルの3スピーカーで聴きました。
 第1幕、冒頭の役人の歌声は、センタースピーカーからのみ聴こえて、センタースピーカーが効果的なのを確認。
 ブリギット・ニルソンの歌声が、オンマイクぎみにスピーカー間を移動したりして、ステレオ初期の演出も伺わせます。

 このSACDが2枚組で千円台(2013年6月19日現在)というのは奇跡のよう。
 なおブックレットに歌詞はありませんので、ご注意ください。

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〈リヴィング・ステレオ・シリーズ〉SACD
B000G759KS プッチーニ〈ラ・ボエーム〉
アンナ・モッフォが歌うミミ
B000G759L2 プッチーニ〈蝶々夫人〉
2013.6.19