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SACDhybrid マイルス・デイビス  リラクシン


MILSE DAVIS
RELAXIN' WITHE THE MILES DAVIS QUINTET
Hybrid Stereo/Multi-ch
輸入盤、Fantasy/Prestige

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角の丸いプラケース。

ブックレットは見開きのペラ。オリジナル・アルバムのライナーが英文で載っているだけ。写真はなし。

マイルスたちの会話も含む、ジャジーな37分

 本作は、マイルスがプレスティッジのために2日間で録音した、“マラソン・セッション”の中の1枚。録音は1956年、ヴアン・ゲルダー・スタジオ。発売は1958年。

 『リラクシン』はその名のとおり、曲の間にマイルスたちの話し声が入れられており、それがこのアルバムを“オシャレ”にしております。
 とはいっても演奏が始まるや、音楽はビシッとキマります!

 1曲目「If I were a bell」から、マイルスのミュート・トランペットが、素晴らしいメロディ。まだモード奏法以前なので、コード進行にそった“歌心”全開。極上のマイルス・トーンです。

 2曲目「You're my everything」のイントロで、レッド・ガーランドに「ブロック・コードで」とやり直しさせるのもご愛嬌。ここでもマイルス、コルトレーン、ガーランドは、デリケードな演奏を繰り広げます。

 コルトレーンはまだ、自分の奏法を探し求めて、手探りな感じがしますが、それがマイルスの流暢さと対照的で、いい味になっています。

 マイルスは全6曲中、5曲で極上のミュート・トランペット。
 でも「OLEO」の緊迫感ある演奏、「Woody'n you」での初オープン・トランペットのスピード感など、トータル37分、ジャズとして「聴きやすく、それでいて刺激あふれる演奏」を繰り広げます。

ベース音の太さと、モノラルの広がり

 SACDハイブリッド盤ですので、CD層も聴けますが、もちろんSACD層で聴きました。
 音源はモノラルですが、放射状に広々とした空間があらわれます。
 この時期の、へたな「泣き別れステレオ」のように、左右が寸止めにならないだけ、左右を抜けて後方に音が消えていくのが心地いい。

 音は、まずポール・チェンバースのベース音の太さ、硬さにビックリ。これが1956年録音とは思えないほど、たくましい。
 このベースにささえられるようにして、モノラル音が広がります。

 マイルス、コルトレーンもみずみずしい音で満足。ドラムスがもっとも左右に広がる印象です。ヒスノイズは、かなりの音量にして少々。気になりません。

 ラストの「Woody'n you」終了後、プロデューサーに何か言われたようで、「ホワイ?」と言うマイルス。そのあと「(ビールの)栓抜きはどこ?」というコルトレーンの言葉でアルバムは終わります。

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マイルスのマラソン・セッションのSACD
マイルス・デイビス/クッキン
プレスティッジ時代、マラソンセッションの1枚
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B00009IB5P Steamin With the Miles Davis Quintet (Hybr) (Omr)
B004HHARCS ワーキン
ユニバーサルのSHM-SACD。SACD専用ディスク。
B0049Y5RD8  クッキン
ユニバーサルのSHM-SACD。SACD専用ディスク。
B003OTLUCG リラクシン
ユニバーサルのSHM-SACD。SACD専用ディスク。このレビューに使用したSACDとは同じものではありません。
2011.12.21