Jacintha Lash Life
録音2001年、ハリウッド
輸入盤、Groove Note
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角の丸いプラケース。
ブックレットは4つ折り。英語のライナー。ジャシンタの、ビジュアル系カラー写真が数点。
本作はアナログレコードでも発売しています。ページ下を参照。
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確かにオーディオ的カイカン、ジャシンタのSACD
ジャシンタはシンガポールのジャズ・シンガーです(女優としても有名)。これはジャズ・バラードの作品。
彼女のSACDは、オーディオファイルに支持されているのが特徴です。
確かにSACDステレオを聴くと、それもうなづけました。明らかに一般的なソフトより、ワンランク上の「オーディオ的にこだわった」再生音でした。
澄んだ空間に浮かび上がるのは、音圧がなく(こういうのをフラットと言うのでしょうか)、やわらかな再生音でした。透明な音があらわれるので、聴く側には本当に気持ちのいい音です。
とくにドラムスのブラシの粒子の細かさ、ピアノのやわらかいたたずまい、トランペットのソロがいい。
正直、音楽の内容よりも、まず音自体が、自分の中の「オーディオ的カイカン」をくすぐっているのが分かります。さすがにオーディオファイル御用達のSACDだけあります。
もちろん、演奏やジャシンタのヴォーカルも悪くありません。ヨーロッパ系のジャズっぽいヴォーカルを聴かせてくれます。
マルチチャンネルも澄んだ空間
マルチチャンネルも、SACDステレオと同じように、透明で圧迫感のない澄んだ空間です。
ただ、音の配置でサラウンド感は出さず、基本的にステレオと同じ楽器配置です。時折加わるストリングスでさえ、広がりを押さえたこじんまりとしたもの(このあたりダイアナ・クラールの、ストリングスが雄大に広がるマルチとはちがいますね)。
それでも、音を絵にたとえれば、キャンパス自体は、部屋一面に広がっているのがわかります。音の消え行く残響が、広い空間で消えていくところが、マルチと感じさせるところ。奥行き感もすこし深くなっている気がします。
SACDステレオもSACDマルチチャンネルも、澄んだ空間ですので、どちらも気分で聴き分けるのが楽しいと思います。
SACDステレオで、音源に耳をすませ、その柔らかさ、音圧の透明さに「ガツンとやられる」、オーディオ的カイカンを選ぶもよし、マルチチャンネルの透明感ある空間に耳をこらしてもよし、のSACDです。
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ジャシンタのSACDとアナログ・レコード
2010.10.5
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