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デスティニーズ・チャイルド  サヴァイヴァー


Destiny's Child
Survivor
Stereo/Multi-ch
輸入盤、COLUMBIA
SACD専用ディスク

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普通のプラケースの上に、透明のカバーが付く。

ブックレットはペラ六つ折。広げると片面が歌詞(英語)とメンバーのライナー(感謝の辞のようなもの)。片面がピンナップ写真。

ボーナストラックは「エモーション」の別リミックス。綺麗なバラードをヒップなアレンジに。でもやっぱりいい曲。

3人のデスチャ、ベスト盤よりベストな?代表作

 本作はデスティニーズ・チャイルド(以下デスチャ)が、トリオになった2001年の作品。全米1位、全英1位を記録した、デスチャ絶頂期のアルバムです。総合プロデュースはビヨンセ。このあとアルバムを1枚だしてデスチャは解散します。

 シングル全米、全英ともに1位になった「インディペンデント・ウーマン」、全米2位(英1位)の「サヴァイヴァー」、全米1位(英2位)の「ブーティリシャス」。
 このヒット3曲が冒頭に並び、アップテンポで開始。トンがったアレンジが最先端の音楽を感じさせますが、曲はR&Bのカッコいいメロディ。
 アルバム半分ほど進んだところで、スロー・バラードへ。オーソドックスなアレンジにチェンジしながらも、キラリと光る曲が並びます。
 ビー・ジーズのカヴァー、全米10位(英3位)の「エモーション」はとてもロマンティック。他にも「ハッピイ・フェイス」「ブラウン・アイズ」ら名バラードが並びます。
 そのまま静かに3人のアカペラで「ゴスペル・メロディ」、そして終曲へ。アルバムは捨て曲なし、緊張感がありながらも聴きやすい構成です。

低域から中域が濃厚な音

 最近のR&Bということで、「ドンシャリ」な音を予想されるオーディオ・ファイルもいるかと思いますが、全然ちがいます。
 このSACDは、低域から中域が濃厚です。高域の金属的な音さえ少しもキンキンきません。
 生楽器、ヴォーカルはもとより、打ち込み系も、エッジの丸い中域たっぷりの音。バスドラは深く強い低音。ヒップホップ風な細かいリズム音さえ、まったく耳づかれしません。
 SACDステレオでは、それらの音がガッシリと前面に現れますが、各音が干渉し合わず、「高音質のまくら投げ」状態。2chでもマルチとはまた違ったかたちの、たっぷりとした広がりを出すのが素晴らしいです。ポップスならマルチ派の僕も、この2chにはホレボレしました。

マルチチャンネルはサラウンドの醍醐味、デスチャの世界にひたる

 マルチチャンネルは、無限の広がりというよりも、ある程度、枠をきめた360度サラウンド。
 R&B特有の、細かな音が何層にも重なっているアレンジなので、それらをうまく四方に配置して、効果的、かつドッシリとしたサラウンドになっています。
 そんななかで、ビヨンセのヴォーカルはフロント。バックコーラスのハーモニーはフェザータッチで、サラウンドをさらに引き立てます。
 実際、アルバム中のコーラスワークは素晴らしい。3人のアカペラによる「ゴスペル・メドレー」は、声だけの360度サラウンドで、そのハーモニーの綺麗さは、クラシックの声楽曲SACDでもちょっとお目にかかれないような気がします。
 『サヴァイヴァー』のサラウンドは、ジェネシスのSACDサラウンドのような醍醐味がありました。ひたすらデスチャの世界に浸れます。
 2chステレオの広がりも素晴らしいし、マルチチャンネルも優秀な一枚。SACD専用ディスクです。

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ビヨンセのSACD
ビヨンセ/デンジャラスリィ・イン・ラウ
ビヨンセのファースト。サラウンドは全方位から
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2010.11.26