topaboutblogClassicjazzPopsjpopselect
S
スーザン・ウォン(Susan Wong)
クロース・トゥ・ミー

Susan Wong / Close To Me

AmazonAmazon US
Evosound / SACDハイブリッド / ステレオ

前作から4年ぶりの新作


プラケースに箱入り。録音とミックスは96kHz/24bit

“アジアの歌姫”スーザン・ウォン(Susan Wong)のSACDハイブリッド『クロース・トゥ・ミー(Close to Me)』が発売になりました。リリースは香港のEvosoundレーベルから。SACD層は2チャンネルのみです。

前作『ウーマン・イン・ラヴ』から4年ぶりの新作は、アメリカ、香港、フィリピンと、3カ国でのレコーディング。今回もカヴァー作品ですが、前作以上に洗練されたアルバムになった気がします。

1曲目はドン・マクリーンが画家ゴッホのことを歌った「ヴィンセント」。名盤『アメリカン・パイ』に収録された佳曲です。大ヒットした「アメリカン・パイ」なみにリスナーの記憶に残るこの名曲を、スーザン・ウォンは真摯にカヴァーしています。

こういったカヴァーが、このあと最後まで続いていきます。ジャケットはモノクロの写真ですが、アルバムの雰囲気は温かみがあり、リラックスしたものです。

スーザン・ウォンの“カヴァー力”を感じたアルバム

「ヴィンセント」を冒頭に入れたことでもわかりますが、とにかく選曲がうまく幅広いです。

ザ・シュープリームスの「キャント・ハリー・ラヴ」のような60年代のヒット曲や、先の「ヴィンセント」のような70年代初頭のポップスもあれば、マルーン5の「サンデイ・モーニング」など2000年代のヒット曲も収録。いずれもスーザン・ウォンの官能的、ちょっとコケティッシュなヴォーカルに合っています。

マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイング・オン」などは、さすがにスーザン・ウォンのキャラクターから遠いのでは、と思ったのですが杞憂でした。ゆったりとしたバラードに無理なく仕上がっています。

最後のザ・ビートルズの「イエスタデイ」も、“ベタすぎる選曲?”と思うのは聴く前だけ。聴けば原曲の良さをあらためて噛み締めますし、しっとりとした歌い方はエンディングにふさわしいものでした。

アルバムは全曲がスーザン・ウォンのオリジナルであるかのような仕上がり。あらためて彼女の“カヴァー力”を感じました。

演奏はアコースティックが主体。楽器も多くなく余白のある空間なので、スーザン・ウォンのヴォーカルを活かすアレンジ。同時に高音質を堪能しやすいアレンジだと思います。

収録曲:カッコ内はオリジナル・アーティスト
1. Vincent(ドン・マクリーン)   
2. Sing for You(トレイシー・チャップマン)   
3. Man in the Mirror(マイケル・ジャクソン)   
4. The One You Love(グレン・フライ)   
5. Sunday Morning(マルーン5)   
6. What's Going on(マーヴィン・ゲイ)   
7. Don't Dream It's Over(クラウデッド・ハウス)   
8. He's the One(ワールド・パーティー)   
9. Can't Hurry Love(ザ・シュープリームス)   
10. That's Why You Go Away(マイケル・ラーンズ・トゥ・ロック)   
11. When You Were My Man(ブルーノ・マーズ)   
12. Yesterday(ザ・ビートルズ)

2019年6月2日

Susan Wong / Close To Me

AmazonAmazon US
Evosound / SACDハイブリッド / ステレオ