サンタナのセカンド。スタジオアルバムの傑作なのだが。
サンタナのセカンドアルバム『天の守護神』もSACD化されております。 『天の守護神』は『キャラバンサライ』と並んでサンタナの代表作です。筆者もアナログレコードで聴いてきましたが、正直「『キャラバンサライ』よりは落ちるかな」と思っていたものです。
問題は音。オーディオ的な意味の音ではなく、バンドの音です。
サンタナの最高の演奏と音は、個人的にはライウ盤『ロータスの伝説』だと思っています。
『天の守護神』の代表曲は、ほとんど『ロータスの伝説』でも演奏されていますが、『ロータスの伝説』の演奏を一度聴いたら、『天の守護神』の音、演奏は、迫力とスケールに不満をいだいてしまう(まあ、スタジオアルバムだから、しょうがないですけどね)。
そんなわけで、アナログで聴いていた時は、『天の守護神』は、サンタナの代表作にもかかわらず、もうひとつ満足できませんでした。
しかし、その印象もこのSACDで変わりました。
SACDで迫力。まぎれもなく代表作になった。
SACDで聴くと、音が太く厚い。
今まで聴いてきたアナログ・レコードはいったいなんであったのか。これなら『ロータスの伝説』の白熱の演奏と、ぜんぜん引けをとりません。
同時に、音に迫力がでてくると、『ロータスの伝説』の長時間演奏にくらべて、スタジオアルバムだからコンパクトに演奏されることも、気にならなくなってきた。
こうなると「ブラック・マジック・ウーマン」「僕のリズムを聞いとくれ」「ネシャプールの出来事」など、名曲が多いアルバムだけに、プレイボタンを押すのが、がぜん楽しくなりました。これこそ「音が蘇った感じ」です。うれしいです。
なおボーナストラックとして、1970年、ロイヤルアルバート・ホールでのライヴ3曲も収録。ハイブリッドではなく、SACD専用ディスク。
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『キャラバンサライ』SACD レビューはこちら
SACDではありませんが、すばらしいアルバムです。
2008.9.1
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