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ジェネシス トリック・オブ・ザ・テイル

GENESIS
Trick Of The Tail

輸入盤、Virgin

Amazon(紙ジャケ)
Amazon(輸入盤)
TOWER RECORDS

標準プラケースに、SACD/CDハイブリッド盤(リマスター)とDVDの2枚組。

DVDには、本作の〈DTS 5.1サラウンド・サウンド〉〈ドルビー・デジタル5.1サラウンド・サウンド〉を収録。DVDプレーヤーでサラウンド環境のある方も楽しめるようになってます。

DVDには映像も収録。当時のミュージック・クリップを収録。76年のコンサート映像は、ボリュームがあり、映画作品として作られた結構長いもの。元イエスのビル・ブルーフォードが客演で参加している。静止画でコンサートパンフレット収録。

ジェネシス第1期発売、その他SACD。国内盤(紙ジャケ仕様)と輸入盤
リンクはAmazonのみ


Genesis 1976-1982(ボックスセット、輸入盤)


ウインド&ワザリング(静寂の嵐)(紙ジャケ)
Wind & Wuthering(輸入盤)


そして3人が残った(紙ジャケ)
And Then There Were Three(輸入盤)


デューク(紙ジャケ)
Duke(輸入盤)


アバカブ(紙ジャケ)
Abacab(輸入盤)

ジェネシスの76年作品のSACD化

 有名な英国プログレ・バンドのひとつ、ジェネシスの5作品がSACD化されました。特典映像などが収録されたDVDも入って2枚組です(DVDについては左欄を参照)。

 さて、『トリック・オブ・ザ・テイル』は76年の作品。ピーター・ガブリエルが脱退して、本作よりドラマーのフィル・コリンズがヴォーカルをとっています。初めて聴きましたが、いいですね、これ。
 プログレといっても、テクニックで聴かせるイエス、仕掛けとコンセプトで聴かせるピンク・フロイドなどと、スタイルはバンドによっていろいろでしたが、ジェネシスの『トリック・オブ・テイル』は、その両方という感じです。
 本作は、プログレとはいえ、どこかイギリスのフォークロアな雰囲気。でも変拍子や、一筋縄ではいかない曲構成で、プログレの面目躍如といったところ。それをささえるバンドの演奏技術もスゴイ。
 それでいながら、よく聴くと大変キレイな曲がちりばめられており、フィル・コリンズが、素晴らしく歌い上げてくれます。
 本作はプログレッシブ・ロックを堪能できるアルバムですが、でも、それ以上に、何度も聴くたびに染み入る度が高くなる、普遍的なロック・アルバムでもある、と思いました。

サラウンドは、360度というより、ひとつの自然な音場

 プログレの王道みたいな本作ですから、もちろんSACDサラウンドも収録されています。このサラウンド、大変良いです。
 ポップスのサラウンドも、最近は大変自然になったものですね。
 昔は「やれ前だ、やれ後ろから」と音のデコレーションがきつかったサラウンドがあったものですが、この『トリック・オブ・ザ・テイル』では、「360度囲まれている」ということさえ意識させない、ひとつの自然な音場が再現されていると思いました(ちょうど、ステレオ初期には、左右を無理やり分けたレコードがあり、今のステレオは「右だ左だ」と意識しない、スムーズな音場になったように)。
 加えて、古典的なシンセサイザーの音色は、ステレオ再生より、だんぜん厚みがでていて、そこも魅力です。

 それにしても、本作発表時の76年といえば、プログレという“恐竜”も、絶滅への道を歩きはじめた頃と思います。ジェネシスも、まあ結果的に例外ではないのですが、それでも、そんな頃に素晴らしい作品を残してくれていたものだ、と思いました。

国内盤は紙ジャケで発売

 国内盤は紙ジャケット仕様で発売されている。最初、「音が大事だから、関係ないだろう。輸入盤でよし」としたが、実際に見ると紙ジャケはいいよね。確かに。

Amazon(紙ジャケ)
Amazon(輸入盤)

2007.5.11