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ジェフ・ウェイン 宇宙戦争

THE WAR OF THE WORLDS
JEFF WAYNE

2枚組【完全生産限定盤】

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三つ折りのデジパック仕様。ちょっと厚みがあるよ。

46ページ、オールカラーブックレット付き。なかには奇麗でレトロなイラストがのっている。
火星人の着陸したカプセルをイギリス人の紳士が見ているところ。イギリスの街が攻撃されているところ(オリジナルの舞台はイギリスなのだ)。火星人の戦闘機械が蒸気船を襲っているところ(ジャケット画にも使用)などなど。

歌詞、ナレーション、英文解説は、日本語訳が別についている。日本語ライナーはオリジナルについていたSF作家鏡明のもので、読んで面白いものでした。

あと、ピクチャーレーベルです。

H.G.ウェルズの小説「宇宙戦争」の70年代音楽劇。

 タイトルから、スピルバーグ監督「宇宙戦争」のサウンドトラックと思う人もいると思うが、このSACDはそれとは無関係。
H.G.ウェルズの小説「宇宙戦争」を題材にしたのは映画と同じだが、このSACDは1978年にジェフ・ウェインが作曲、製作した音楽版「宇宙戦争」である。
 発売当時はLP2枚組。高い評価を受け、世界で1300万枚も売り上げたアルバムという。
 そんなに売れたのですか! 残念ながらわたしは聴いたことがなかったので、今回の初めて聴きました。

 ストーリーは小説と一緒である。火星人が突如、地球に攻めてくる話。それを「語り、音楽、語り、音楽…」で構成していく。もちろん語りのバックで音楽も流れていたりする。
 話を展開していくジャーナリスト役はリチャード・バートン。
 この人の声がゴチック風といいますか、エリザベス朝風といいますか、ホラー調といいますか…、聴いているだけでムード満点である。
 音楽の作曲はジェフ・ウェイン。
 SFなのでプログレ風の臭いもするが、どちらかというと16ビート、バスドラ、ズンズンのディスコ風がメイン。1978年という時代を考えるとうなずける。
 そして参加ミュージシャン。
 わたしが知っているのは、このアルバムのヒット曲「永遠の秋」を歌うジャスティン・ヘイワード。かのプログレバンド、ムーディーブルースのメンバーである。甘く哀しい歌声はここでも健在で、ムーディーブルース好きのわたしにはこたえられないトラック。
 他には、デヴィッド・エセックス(砲兵役)、フィル・リノット(ナサニエル牧師役)、ジュリー・コヴィントン(べス役)らが参加している。

遠慮なしにサラウンドしています

 マルチチャンネル化はジェフ・ウェイン自身がおこなっている。ぜひマルチチャンネルで聴いてほしいです。
 クラシックやポップスのサラウンドでは「音楽の雰囲気を壊しちゃいけないように」と、どこか遠慮があるみたいですが、この『宇宙戦争』は遠慮なしにサラウンドしてくれます!(笑)。
 効果音はこの手のアルバムにしては少ないほうですが、要所要所に入っています(鳥の鳴声など)。Track2「ホーセル公有地と熱線」で、火星人が着陸したカプセルから出てくるときの、石棺がひらくような音は360°移動して、サラウンド効果あり、です。
 下に曲名を紹介しておきますので、ここでは雰囲気だけでも味わってください。最後に、登場する火星人の叫びを。
 「ULLA!(ウゥ〜ラァ〜!)」

2005.8.12

Disk1
火星人来襲

1.戦争前夜
2.ホーセル公有地と熱線
3.砲兵と戦闘機械
4.永遠の秋(フォーエバー・オータム)
5.サンダー・チャイルド

Disk2
火星人に支配された地球

1.赤い草(第1部)
2.人間の精神
3.赤い草(第2部)
4.砲兵の帰還
5.素晴らしい新世界
6.死のロンドン
7.エピローグ(第1部)
8.エピローグ(第2部)

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