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S
イエス
Going for the One〈究極〉

B00CNEVHMG
Yes
Going for the One

Amazon

Hybrid Stereo
輸入盤 Audio Fidelity

普通のプラケースにブックレット。購入時は、ブックレットはプラケースの裏に挟まっている状態。『危機』のレビュー写真参照

ブックレットはペラ紙だが、オリジナルLPどおりの3面開きになり、さらにそれが開く、計6折状態。
オリジナルLPの見開き写真も、裏にに掲載。
あと歌詞を掲載。

プログレの最後に花開いた、イエスの代表作

 イエスの『Going for the One(邦題『究極』)は1977年の作品。
 『こわれもの』『危機』『海洋地形学の物語』『リレイヤー』に続く、8作目のスタジオアルバムです。

 本作では、イエスの名刺代わりであるロジャー・ディーンから、ヒプノシスのデザインしたジャケットに変りました。
 この都会的なジャケットが、長い間、このアルバムに誤解を招いていた気がします。僕もそうでした。
 というのも、本作はジャケットとはうらはらに、いかにも「イエス的」なアルバムだからです。

 1曲目「Going For The One」。
 いきなりロックン・ロール風ギターで、「ジャケットの不安的中!やっぱりイエスじゃないじゃん」という考えが頭をよぎります。
 しかしジョン・アンダーソンのヴォーカルに導かれて、聴き続けていると、これがやっぱりイエス。80年代のポップス的イエスを先取りしたような雰囲気でカッコイイ。でいて音の重なり方、曲の盛り上がり方は、やっぱり70年代イエス。

 2曲目と4曲目はスティーヴ・ハウのアコースティック・ギターが、往年のイエス・サウンドを導き出します。
 5曲目の「Awaken」は、いかにもイエスらしい壮大な曲。
 聴き終われば本作は、プログレの最後に花開いた傑作アルバムと言えましょう。

SACDの音

 ジョン・アンダーソンの声は押さえ気味。
 SACDの音は、各楽器間の解像度を出す感じではなく、全体で弾力のある音圧を出す音です。
 もうちょっと解像度が欲しいところですが、低域の充実がカバーしてくれています。

 しかし個の楽器での、SACD的聴きどころはあります。
 大きくフューチャーされる、スティーブ・ハウのギター。アコースティック・ギターはSACDならではですし、エレクトリック・ギターもアナログぽい音です。
 そして本作でカムバックしたリック・ウェイクマンの、パイプオルガンは重厚で広がりがあります。ピアノ音もみずみずしい。
 余談ながらウェイクマンのギーボードの音が昔風ではなく、楽器は進化したのだなと感じさせます。

ジャケットは?でも、イエス・ファンにはドストライク・アルバム

 2chのみの収録ですが、やはりマルチチャンネルでも聴きたい欲求が頭をもたげます。
 しかし、全体で38分は、好きなつもりでいながら、最後まで聴きとおせない『海洋地形学の物語』よりは聴きやすいし、『危機』と同じくらいメロディと構成が飽きません。

 それに80年代イエスの躍動性も先取りで含まれるのですから、本作が、イエス・ファンに人気があるのも分かります。
 今までジャケットからマニアック的に好まれると思っていましたが、とんでもない。『究極』はイエス・ファンにドストライクのアルバムでした。

B00CNEVHMG
Going for the One

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2013.7.11