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アンドレ・クリュイタンス指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ベートーヴェン:交響曲全集〈TOWER RECORDS DEFINITION SERIES〉

Tawer Record〈タワーレコード限定〉


Waner Classics(旧EMI)

イギリスのマスターテープから96/24に変換されたWAVデータを光学ディスクで日本に空輸。それを杉本一家氏がDSDマスタリング。

録音 1957年12月(8,9)、 1958年3月(5)、 1958年12月(1,2)、1959年4月(3)、 1959年5月(4)、 1960年3月(6,7) グリューネヴァルト教会、ベルリン

DISC1
1. 交響曲第1番
2. 交響曲第3番 「英雄」

DISC2
3. 交響曲第2番
4. 交響曲第4番

DISC3
5. 交響曲第5番 「運命」
6. 交響曲第7番

DISC4
7. 交響曲第6番 「田園」
8. 交響曲第8番

DISC5
9. 交響曲第9番「合唱」

昔買った想い出のレコード、それがSACD化

 このSACDはタワーレコードが独自に作ったレーベル〈DEFINITION SERIES〉の第1弾。アンドレ・クリュイタンス指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるベートーヴェン交響曲全集です。

 この全集は、ベルリン・フィルによる初のステレオ録音によるベートーヴェン全集。1957年から60年までの録音で、カラヤンによる最初の全集よりも先となります。


SACDハイブリッドが5枚。ハード・カバーのデジパックは重厚感がある。奥にブックレット。これは白黒で簡単なもの。

 しかしそういうことよりも、SACDラボとしては、高校生の時に始めて買ったベートーヴェンの第4番と第8番のレコードとして想い出深い演奏。当時〈セラフィム・シリーズ〉と呼ばれた東芝音楽工業の廉価盤レコードでした。

 このシリーズには1,000円ながら、ベルリン・フィルの演奏が多数含まれていて、15、6歳のニキビ青年には画期的でした。
 当時は指揮者のアンドレ・クリュイタンスという人は(本当に正直)どうでもよく「ベルリン・フィルのレコードが1,000円で手に入る」と喜んで買ったものです。
 このレコードも何度も聴いて、ベートーヴェンの第4番と第8番は、今でもこの演奏が基準となっているほどです。

第4番 第1楽章、SACDのほうがアナログのような音


東芝音楽工業の〈セラフィム・シリーズ〉第4番/第8番とSACD第2番/第4番。

 そこで今回のSACDですが、〈セラフィム・シリーズ〉のアナログ盤を引っ張り出してきて聴き較べてみました。曲は第4番の第1楽章です。

 最初アナログ盤、次にSACDを聴きましたが、弦の音は明らかにSACDのほうがまろやかでした。アナログ盤は弦の音が金属的で耳にキツいところがあります。

 SACDラボのアナログ・システムはガラード301にカートリッジがDENON DL-103という構成で、これがクラシックにドンピシャなシステムかは分かりませんが、ベームのバイロイト・ライヴの『ワルキューレ』LPを聴くと、重厚な弦楽を再生してくれるので、まずまずとは思います。

 その『ワルキューレ』に比べると、〈セラフィム・シリーズ〉LPの弦はカタくて、「1959年録音だから仕方ないよ」とも取れるし、「廉価盤だからしょうがないよ」とも取れるわけです。

 でもSACDを聴くと、まるでアナログ盤を聴いているかのようなサウンドでした。加えてSACDのほうが空間の広がり、奥行き感もあって、アナログ好きのSACDラボも、この第4番第1楽章に関してはSACDに軍配を上げたいと思います。

 SACDラボとしては、「定点観測」として、第4番の第1楽章がSACD化によってアナログより良い音になったのであれば、全集の他の交響曲もSACDで上出来という結論であります。このSACDでクリュイタンスの全集が聴けるということは、とても嬉しいことであります。

Tawer Record〈タワーレコード限定〉

2015.1.25