Bruckner : Symphony No.3
Gunter Wand
NDR-Sinfonieorchester
(1992 Live)
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〈音匠仕様〉
録音1992年1月12日〜14日ハンブルク、ムジークハレでのライヴ
国内盤、ソニークラシカル
ブックレット
普通のプラケースにブックレット。ブックレットにはギュンター・ヴァントの言葉。
宇野功芳の「ギュンター・ヴァントの最高傑作登場」と曲目ノート。ソニー・ミュージックのアンナ・クールマンのライナー。
ヴァント指揮北ドイツ放送響によるブルックナー:交響曲第3番の演奏記録。
音匠仕様のディスク
ディスクはソニーが開発した〈音匠仕様〉。緑色の特殊インクが赤色のレーザーを吸収して音質をアップする。音質に配慮して、タイトルも円周にそって書かれているだけである。ほかの音匠仕様のソフト。
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ヴァントと北ドイツ放送交響楽団のコンビによるライヴ
1992年、ギュンター・ヴァントが北ドイツ放送交響楽団を指揮した、ブルックナーの交響曲第3番(1889年第3稿)のライヴ録音。
CDとしては1993年にリリースされていたものですが、2011年末にDSDマスタリングされ、SACDハイブリッド盤でリリースされました。
DSDマスタリングで16ビット音源ながら、ふくよかな音場に
ライナー・ノートによれば、ヴァントは自分のライヴ録音を、すべて自宅に持ち帰って聴くほどに慎重で、そこからつくるデジタル・マスターも自ら編集までかかわっているようです。修正のため、あとからスタジオ録音することなどは許さなかったため、できあがったマスターはヴァントにとっても誇りのある演奏になったようです。
このSACDは、そんなヴァントがオーサライズした、16ビット・デジタル音源をDSDマスタリングしたものです。
聴いてみると、ライヴとは思えない綺麗な録音です。
オリジナルが16ビットでも、DSDマスタリングの効果はあるようで、CDのようなキツいエッジや、ペタっとした音場ではなく、「まろやかな音、ふくよかな音場」が広がりました。押し出しもスムーズです。
ブルックナーの和声にうっとりするSACD
音は、若干「コクが足りないか」という気がしないでもないですが、ブルックナー特有のオルガンのような和声が、とてものびやかに鳴るのが気持ち良くて、これでOKと思ってしまいます。
「ワグナー交響曲」と呼ばれるこの第3番は、第8番、第9番ほどポピュラリティーはないと思うのですが、ほかの指揮者なら退屈するところを、ただただ、オーケストラの音が綺麗で、聴き続けていられるのでした。
もちろんヴァントが、ブルックナーの音楽にこめた「何か」もあると思います。
16ビットのライヴ録音、2ch層のみでも、音、演奏とも満足で、ブルックナーの第3番を聴くのなら、あまたの最新録音のマルチチャンネルSACDをさしおいて、このディスクを選んでしまいそうです。
ディスクが、レーザー光線の乱反射を防いで、音質をアップしてくれる〈音匠仕様〉なのもうれしいところです。
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ソニー・クラシカルの〈ギュンター・ヴァント生誕100年・没後10年記念〉SACD
2013.1.25
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