Edition Wilhelm Furtwaengler
RIAS Recordings LP-BOX
Audite
180g重量盤LP 14枚組
Amazon(輸入盤)
Amazon(国内盤)
ジャケットサイズの解説書裏には、1947年5月25日のティタニア・パレストで、チケットを買い求める人々の写真。「これが、フルトヴェングラー戦後復帰の日の写真か」と感慨深い。
国内盤には、平林直哉氏「アナログLP vs CD比較試聴解説」と同氏所蔵の、「戦後ベルリンフィル復帰公演 1947年5月25日のプログラム(レプリカ)」が付属(輸入盤には付きません)。
収録曲
LP1
ベートーヴェン:交響曲 第6番 (1947年5月25日)
LP2
ベートーヴェン:交響曲 第5番 (1947年5 月25日)
LP3
ベートーヴェン:交響曲 第6番 (1954年5月23日)
LP4
ベートーヴェン:交響曲 第5番 (1954年5月23日)
LP5
ベートーヴェン:交響曲 「英雄」 (1950年6月20日)
LP6
ベートーヴェン:交響曲 「英雄」 (1950年6月20日)
ベートーヴェン:交響曲 「英雄」 (1952年12月8日)
LP7
ベートーヴェン:交響曲 「英雄」 (1952年12月8日)
LP8
ブルックナー:交響曲 第8番 (1949年3月15日)
LP9
ブルックナー:交響曲 第8番 (1949年3月15日)
LP10
シューベルト:交響曲 「未完成」 (1953年9月15日)
シューベルト:交響曲 第9番 (1953年9月15日)
LP11
シューベルト:交響曲 第9番 (1953年9月15日)
LP12
ブラームス:交響曲 第4番 (1948年10月24日)
LP13
ブラームス:交響曲 第3番 (1949年12月18日)
LP14
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 (1950年6月20日)
ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死 (1954年4月27日)
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アナログで聴く、フルトヴェングラー戦後のRIAS録音からの選集
左がCDボックス。並べるとその大きさに圧倒されるLPセット。持ち上げると相当重いです。
フルトヴェングラーの戦後復帰後ライヴ、そのRIAS全録音を収録したCDボックスが好評だったので、 Auditeはドイツ、オーストリア楽曲を選んで、同じマスターからの14枚組アナログレコードをリリースしました。
収録は「田園」「運命」「英雄」が2演奏、そのほかブルックナー、ブラームスとこだわった選曲。なかでも「英雄」は第1楽章、第2楽章それぞれに、LP片面をあてる贅沢なカッティングです。
この重量盤は、かなり厚い感じがします。手に取るとズシリときます。プレスはドイツの「パラス」という工場です。
ノイズがない良質のアナログ盤、柔らかい音
国内盤には、戦後ベルリンフィル復帰公演 1947年5月25日のプログラム(レプリカ)が付属 (輸入盤には付きません)。
LP1とLP2、1947年5月25日の「田園」と「運命」
1947年録音。この「田園」「運命」はRIAS録音のなかでは、もっとも古い録音で、一番音質が劣るものですが、それでも同じ音源のCDと比べると、あきらかに音が柔らかいです。音楽として聴くなら、アナログの音のほうが断然いい。
CDの音も良かったので、マスタリングに感心したり、CDの音を見直す気も出てきたのですが、このアナログを聴いたあとでは、CDはやっぱり音が硬く、耳にキツく思われます。
レコード盤特有の針のノイズがまったくないというのも感激。180グラム重量盤のクオリティも高いと思います。
これまでフルトヴェングラーのLPを聴くということは、中古レコードを聴くということ。それは「ノイズとの格闘」を意味しましたが、このレコードでは、まるでCDのようにクリアな空間で聴けるアナログ・サウンド、気持ちいいです。
弱音もきれい。さらに聴いていきます
ボックスにはレコードを取り出しやすいように切り込みが。180グラム重量盤はそうとうな厚みになります。レコード盤の臭いもいいですよ(笑)
LP4、1954年5月23日の「運命」
ppからffまでダイナミックレンジがあります。モノラルなのに、実演に接しているかのような空間に感じられます。
ときに「運命」の第4楽章コーダは、シツコク感じるものですが、フルトヴェングラーの緊張感のある演奏は、聴く者を惹き付けます。
LP5とLP6、1950年6月20日の「英雄」
第1楽章、第2楽章が片面づつ。たっぷりとした鳴り方です。
ここでも第2楽章はダイナミックレンジは広く、鳴り方もきれい。第3楽章もヒスノイズがないだけに、弱音がきれい。
LP12、1948年10月24日のブラームス:交響曲第4番
硬めの音の録音ですが、押し出しのいい音。聴いていて、空間が柔らかく、まろやかなのは、アナログならでは。
第1楽章の最後、フルトヴェングラーの演奏は、まるで交響曲のフィナーレのような迫力。続いて第二楽章の静謐な感じの対称的なところが美しいです。ここもppの音がきれい。
アナログ・レコードの盤質がいいのか、シューベルトの「ザ・グレート」でも第二楽章の木管ソロがきれいな再生音でした。
▶Tower Records(輸入盤)2017年8月追加
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フルトヴェングラー RIAS録音 CD-BOX
2012.1.8
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