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Bi-channel (Mono)
輸入盤 Praga
シューベルト:
交響曲第9番〈ザ・グレート〉
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音1951年12月10日ー12日、ベルリン、スタジオ・レコーディング
53:35
ベートーヴェン:
交響曲第9番〈合唱〉第4楽章
フィルハーモニア管、ルツェルン祝祭合唱団
録音1954年8月22日、ルツェルンライヴ
25:40
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音質が素晴らしい〈ザ・グレート〉
PragaがSACDハイブリッドで、フルトヴェングラーのシューベルト〈ザ・グレート〉をリリースしました。これはユニバーサルからもSACD化されていた音源です。
このSACDハイブリッドには、「ルツェルンの第九」として有名な54年録音のベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章も収録されています。
しなやかでやわらかい音質、潤いのある響き
この〈ザ・グレート〉は1951年のスタジオ録音、ファンの間では音質が良いという評判です。
聴いてみると確かに音が良かったです。
ホルンによる導入のあとに弦楽。柔らかい音です。オーボエのソロも豊かな音。このオーボエは全曲を通して魅力的です。
全体では曲が静かな部分ほど、空間、音質とも豊かです。
この潤いのある響きは、モノラルとはいえ、のちのステレオ録音の一般的な音質に近いのではないでしょうか。
唯一、フォルテッシモが伸びないのは致し方ないところでしょう。それでも、これまで聴いてきたフルトヴェングラーの録音の中では、とりわけ素晴らしい音質だと思いました。
ブックレット裏にはフルトヴェングラーの録音のリリースに尽力をつくした“THARAのルネ・トレミーヌ(1944−2014)に捧げる”と書かれています。
フルトヴェングラーの演奏
フルトヴェングラーの演奏は、さすがに聴き惚れます。
〈ザ・グレート〉は「天国的な長さ」と言われていたことで有名ですが、実際は興奮する部分が多々あり、要所要所では“天国を忘れる”ほど興奮する名曲だと思います。
ただ、なんとなく長くて単純な構成が、興奮しながらも、ふと飽きを呼んで“天国的な気分”になってしまうのではないかと考えているわけです。
それがフルトヴェングラーの演奏では、どの部分でも弛みを出しません。その単純な構成が、ちょっとブルックナーの出現を想起させるような、荘厳な展開に思えるほどで聴き応えがあります。
この音質でこの演奏、であるならフルトヴェングラーの入門としてもよいかもしれません(初体験がこれだと、音質面で他のものが聴きずらくなってしまう恐れもありますが)。
第九の第4楽章
「ルツェルンの第九」は、フルトヴェングラー最後の第九。TharaからSACD化されておりますが、ここでは第4楽章だけ収録、こちらも確かに音は良いです。こちらはライヴ(ホール)の空気感を感じる空間。
たぶんサンプル的な意味合いもあって、ここに収録されたのでしょうが、これを聴くと、こちらも全曲を聴いてみたくなると思います。
▶Schubert/Beethoven: Symphony N
2016.1.15
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