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スラトキン指揮BBC交響楽団&合唱団
バーンスタイン:交響曲第3番〈カディッシュ〉、チチェスター詩篇、ミサ・ブレヴィス

ディスク
Leonard Bernstein:
Kaddish
Chichester Psalms
Missa Brevis


録音2003年
輸入盤、CHANDOS
SACDハイブリッド1枚

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角の丸いプラケースとブックレットが、同じジャケットデザインの紙箱に入っている。

ブックレットにはジェイミー・バーンスタインによる「改訂版ナレーション」についてのライナー。改訂へのいきさつなどが書かれている。

歌詞は英語(ジェイミー版とバーンスタイン版)、フランス語、ドイツ語。

Mervyn Cookeによる曲解説(英語、フランス語、ドイツ語)

作曲家の娘ジェイミー・バーンスタイン版ナレーションの初録音

 指揮者レナード・バーンスタインは、作曲家としても有名です。〈カディッシュ〉は交響曲第3番とも名付けられていますが、混声合唱、ソプラノ、少年合唱を伴う声楽曲で、交響曲というよりもオラトリオのような曲です。
 〈カディッシュ〉には「語り手」がおり、セリフを語ります。このSACDの特徴は、その「語り手」をバーンスタインの娘ジェイミー・バーンスタインが担当していることです。
 彼女は作家やナレーションの仕事をしているそうですが、さらに、ここではオリジナルのバーンスタイン版のナレーションを、彼女自身の作によるナレーションに替えています(世界初録音)。
 ブックレットには、ジェイミー版のよこに、オリジナル版の歌詞も並列してレイアウトしてあるので変更したところがわかります。
 みるとほとんど変わっているようです。「Father…」と語りかけるところは、神に向かって、というよりも父バーンスタインに向かって語りかけているように思えてしまうのは僕だけでしょうか。

20世紀音楽としては、ポピュラー&古典になってもいい曲

 ともあれ、演奏はオリジナルのとおり。宗教曲とはいえ、バーンスタインらしい躍動的な曲です。
 打楽器は活躍し、時には手拍子も含まれ、色彩感もあります。こんなところでは「ウエスト・サイド・ストーリー」のバーンスタインが顔を出しているようです。
 かと思えばソプラノ・ソロは荘厳なメロディ。20世紀音楽としては、ショスタコーヴィッチの交響曲第5番のように、ポピュラー&古典になってもいい曲だと思いました。
 一緒に収められた、「チェスター詩編」「ミサ・プレヴィス」もいい曲。こちらも宗教曲ながら、親しみやすい。
 「ミサ・プレヴィス」(拡大版礼拝バージョンでの初録音)は、声楽だけのアカペラと打楽器だけですが、ストラヴィンスキーの合唱曲ようなエネルギッシュさがあります。

CHANDOSレーベルも高音質のようです

 マルチチャンネルで聴きましたが、録音はとてもよい。ホールで聴いているような綺麗な空間が出現します。手拍子のところでは、残響が生々しい。
 レコーディング・クレジットに、CHANDISのサラウンド・サウンド・プロダクションと銘打ってあるだけのことはある。クラシックとしては申し分ないサラウンド空間と音質だと思いました。

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2010.5.9