Vladimir Jurowski
Prokofiev: Symphony No. 5;
Ode to the End of the War
輸入盤、Pentatone
録音2005年。マルチチャンネルは5.0チャンネル。トータル57分32秒。
角の丸いプラケース。ブックレットには「彼はスターリンと同じ1953年3月5日に死んだだけでなく…」で始まるライナー「The troublemaker as a brilliant composer of symphonies」(英語と仏語)。
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プロコフィエフらしい躍動感と親しみやすさ
プロコフィエフの交響曲第5番は1944年の作曲。この頃はプロコフィエフもソビエトに帰っていて、同じソビエトの作曲家ショスタコヴィッチのような
雰囲気も曲の一部に感じます。
でも全体はプロコフィエフらしい交響曲です。プロコフィエフらしくリズムを刻む躍動感が素晴らしい。管楽器も華やかに活躍する。ピアノを打楽器的に加えたところも成功している。
名曲であると同時に初めて聴く人にも親しみやすい交響曲でしょう。そしてベートーヴェンやマーラーの交響曲のように、ちょくちょく聴いてみたいスタンダードとなりうる曲です。
14分少々の「戦争終結に寄せる頌歌」もいい。第二次世界大戦終結にあわせて1945年に書かれた曲。編成が面白く、8本のハープ、4台のピアノ、管楽器、パーカッション、そして8本のダブルベース!
大変意義深い曲ですが、それを抜きにして、音楽としてもプロコフィエフらしい躍動感とメロディが魅力です。特にサキソフォンが重なるメランコリックな色彩がお気に入りです。
マルチチャンネルでマンモスみたいなオーケストラ
これはクラシックファイルには高音質でおなじみのペンタトーンのSACD。
マルチチャンネルで聴きますと、目の前に雄大にあらわれるオーケストラに一目惚れ(一耳惚れ?)します。DSDレコーディングのいい音質とあいまって極上のオーケストラ空間があらわれるのです。
マルチチャンネルのタイプとしては、ホールトーン内にあらわれるオーケストラというより、ホールトーンは少なめ、そのかわりマンモスみたいに大きなオーケストラがグアンとあらわれる、という感じです。
先に書いたように、交響曲第5番と「戦争終結に寄せる頌歌」は、オーケストラのあらゆる機能と音色を思う存分使って書かれているので、この音はこたえられません。
まちがいなく音楽とSACDの音、両方が満喫できるディスクです。オーケストラがロシアン・ナショナル・オーケストラというのもいいですね。
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ユロフスキ/ロシアン・ナショナル・オーケストラのSACD
2009.4.19
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