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プロムシュテット ブルックナー交響曲第8番


輸入盤、QUERSTAND、2枚組

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プロムシュテット、ゲヴァントハウス管退任コンサートのライヴ

 このSACDは、プロムシュテットがゲヴァントハウス管弦楽団を退任する時の演奏です。2005年7月1日、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス大ホールでのライヴ録音。

 ゲヴァントハウス管弦楽団と言えば、その昔、クルト・マズア指揮のレコードを聴いて「渋い音だなあ」と思っていたので、今回も楽しみに聴いてみました。
 でもさすがにマズアが去り、プロムシュテットでは音は変わったようです。マズア時代にあった、あの「ドイツのコク、重さ」みたいなものは薄くなったと思う。
 その分、洗練とまでは言わないが、シンプルな音になったかな。輸入盤だけどなぜか1ページある日本語解説には、「ストイシズムに徹したプロムシュテットのブルックナー」とタイトルが入っている。
 「ブルックナーは重厚に聴きたい」と思う人には、第1、第2楽章はちょっとアッサリしすぎているかもしれない。せっかくのブルックナーだからねえ、豊饒に、濃くやってもらいたい。

 でも、DISK2の第3、第4楽章では満足した。
 特に第3楽章の「アダージョ」。始まりから独特の雰囲気だ。この楽章の間中は、昔のゲヴァントハウス管弦楽団の「コク」がよみがえってきた感じ。第4楽章も同様。いい演奏だと思う。
 この長い交響曲はたいてい最初の楽章の方を聴いてしまうものだが、この演奏では第3楽章、第4楽章が聴き所だろう。ここだけ取りだして聴いてもいいほど。

 で、これをふまえて再び、第1、第2楽章に戻ると、最初「アッサリしてるかな」と思った印象もちがってくる。これぞ解説書にあった「ストイシズムに徹した」演奏なのかもしれない。ううむ、これは今後も聴いてみたい。
 演奏の最初と最後に拍手が入る。もちろんこれは、退任するプロムシュテットに向けられたものだ。

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2008.1.7