フィンランドの作曲家、シベリウスの交響曲
ネーメ・ヤルヴィがスウェーデンのオーケストラ、ユーテポリ交響楽団を指揮して完成させた。最新のシベリウス交響曲全集です。ヤルヴィとしては2回目の全集らしい。
わたしは、シベリウスの交響曲第2番しか聴いたことがなかったので、「これはいいや」と買ってみた。
聴いてみたら、いやあ、良かったです。
シベリウスの交響曲は、生まれ故郷、フィンランドの自然と結びついている、とよく言われるが、それもわかるような気がする。
シベリウスの音楽が自然を描写しているわけではない。でも、どこか、北欧の音の鳴り方がしていますね、やはり。ドイツ音楽とも、フランス音楽とも、イタリア音楽ともちがう音楽です。
この全集には交響曲第1番から第7番までが、収められている。
どれもちがった交響曲に仕上がっていて面白い。
もっともポピュラーなのは第2番だと思うが、他の交響曲もバラつきなしにいい。
ゆいいつ交響曲第4番(1911年初演)が難解だったが、これもシベリウスの通過点として、いいじゃないか。
シベリウスと同時代には、ドビュッシーからはじまり、マーラー、シェーンベルグ、ストラヴィンスキー、リヒャルト・シュトラウス、そうそうたる前衛音楽の作曲家がいた。
交響曲第2番や「フィンランディア」で国民的な音楽を作ったシベリウスが、第4番で彼ら前衛音楽に影響されたとしてもおかしくない。第4番以降は路線変更して、またシベリウスらしい交響曲を作曲している。
グラモフォンのマルチでは、いちばん好きかも!
マルチチャンネル(5.0ch)で聴いたが、音は素晴らしいゾ。
オーケストラはビロードのようなシルキー・サウンド。超ナチュラルな音場が前方に出現する。
それが、高音質というスペックで叩き出した音、というより、どこまでも自然な音だからたまらない。
DSDレコーディングではないけど、関係ない。これはいい。
「グラモフォンのマルチではいちばん好きかも!」とわたしは喜びました。
Amazon
2006.1.7
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