やっぱりブラームスはいい。交響曲第2番も
スクロヴィチェフスキという舌を噛みそうな名前の指揮者は、不勉強で知りませんでしたが、1923年ポーランド生まれ。ブルックナーの指揮では世界的に定評があり、読売日本交響楽団とも数多く共演しているそうです。これは2007年東京芸術劇場でのライウをDSDレコーディングした演奏。
ブラームスの交響曲といえば第1番が人気で、あと個人的には第4番も好きでしたが、この第2番もいいですね。それを伝える筆力がないのが残念ですが、とくに第1楽章、第2楽章はブラームス特有の「甘い渋さ」に身も心も浸ります。やっぱりブラームスはいい。
マルチチャンネル(5.0ch)で聴きましたが、オーケストラのバランスは聴きやすいく、各楽器の音(の存在感?)がワンランク、リアルになった感じ。こういう空間でブラームスの交響曲(というかドイツの交響曲)を聴くのは、自分にとっては喜びです。蛇足ながら、演奏後の満場の拍手は、本当にホールにいるようでした。
つづいてメシアン、こちらでマルチ実感、です
オーディオ的に言えば、もう一つの収録曲、メシアンの「われらの死者の復活を待ち望む」(1964年作曲)のほうが、空間の再現性が際立っていると思いました。
こちらは管楽器とパーカッションだけの演奏。音的に空間の多い曲ですので、楽器固有の音が、ホールの残響(空間)をともなって、リスニングルームにあらわれます。
ブラームスとうってかわって、各楽器の音が、自立した力を持ったようにパァーと広がる。まあ、これが現代音楽の特徴でもありますが、SACDでそこも堪能するわけです。こういう曲では、日本のオーケストラもイキイキしているように感じるのは、自分だけでしょうか。
この曲は初めて聴きましたが、これもいい曲ですねえ。気に入りました。タイトルからイメージするほど、宗教的なムードは少なく(メシアンの場合、それがスタイルか)、ガムラン風やインド、アマゾンの鳥風、などメシアンらしい聴きごたえのある曲だと思いました。
演奏時間は22分ちょい。終わったあとの拍手は、ブラームスの時とちがって「ブラボー調」ではなく遠慮がちにはじまる。この差も面白かった。
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2008.2.11
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