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フリッツ・ライナー(指揮)シカゴ交響楽団 
管弦楽のための協奏曲、弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽 他

バルトーク:
管弦楽のための協奏曲
弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽*
ハンガリアン・スケッチズ*

*はマルチチャンネルで3トラック

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ブックレットにはリビングステレオの歴史、スーパーオーディオCD化に関してのテクニカルノートも書いてある。こういうのって読んでて楽しいよねえ。ただし輸入盤なので英文です(簡単でわかりやすい英文なので助かる)。国内盤は訳が付いているか、わたしは知りません。

リビングステレオがSACD化。もってけ、である。

 リビングステレオ(LIVING STEREO)というレーベルをご存知だろうか。
 若い方はご存じないかと思うが、ステレオ初期にあたる、1950年代に優秀な録音演奏を出したレーベルだ。当時はステレオがでたばかりで、大変めずらしかった…、
 などと、わたしも偉そうに書いたが、わたしも「若い方」に入る。1958年生まれですからね。物心ついたときは、リビングステレオは見たことなかったなあ。

 それでもリビングステレオには名演奏が多く、その後もRCA/RVCレーベルから70年代も再発されていたから、あながち縁がないわけではない。わたしもこの演奏はアナログで持っております。

 そのリビングステレオの録音がスーパーオーディオCDになって発売されました。
 いつも中古レコード店でアナログのリビング・ステレオの中古盤を見るたびに、「聴いてみたいなあ。でも古いだろ。国内盤だろ。音が恐いなあ」とさけていたのだが、スーパーオーディオCD盤では…、

・SACD/CDハイブリッド
・SACD/CDともリマスタリング
・アナログLP2枚分が1枚に(2 in1)
・マルチチャンネルに当時の3トラック録音を収録

 これで、わたしが買った輸入盤は1419円だった(当時)。メッチャ安い。もってけドロボー!である。ドロボーじゃなくても持っていく。わたしも、他3枚買いました。

マルチチャンネルでオリジナルの3トラック録音を再現

 録音は1955/58年だが、音はいい。分厚くて、ごりごりしてて、パワーがある。
 リビングステレオはステレオといいながらも、当時、現場ではセンターを入れた3トラックで録音していたのだそうだ。そのほうが、あとからステレオに落としやすかった理由らしい。
 そのオリジナルの3トラックがマルチチャンネルに入っているのは興味シンシンだ(そのときリア・スピーカー、サブウーファーに音は入っていない)。

 その3トラックを聴いてみると、ステレオとしてあきらかに安定感があるのがわかる。
 通常の2トラックに落とされたステレオでは、ステレオ初期ゆえ仕方がないか、ステレオ感を強調するために左右が別れ気味。
 それが3トラックだと、現在の最新のステレオ録音なみになめらかにつながっています。それでもセンタースピーカーに音があるということは、微妙ですが、でも確実に音に実在感があっていい。
 ステレオ層で聴くと、ごりごりで、そのままつかみ出した音(これもいい)。マルチチャンネル層の3トラックでは、つながりが良くなるせいか、若干音は滑らかになるが、その分ステレオとして安定している。そんなまとめ、させてください。

 なお、全曲が3トラックを収録しているわけではない。このディスクでは「弦楽器、打楽器~」と「ハンガリアン~」が3トラック収録だ。1958年録音あたりから3トラックを始めたのかな。3トラックのない「管弦楽のための~」はマルチチャンネルでもステレオで出力される。他のディスクでも同様。

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2005.1.14