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ズデニェク・コシュラー指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ヤナーチェク:シンフォニエッタ、タラス・ブーリバ 【オリジナル4チャンネル録音】

ディスク


録音:1977年プラハ、芸術家の家
アナログ4chレコーディング
国内盤、コロムビア Supraphon

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普通のプラケースにブックレット。ブックレットには、高橋昭氏によるライナー「円熟を迎えていたコシュラー」と作品解説。

ブックレットの裏表紙は、オリジナルLPの裏画面。右上に当時の4チャンネルシステム「SQ」の文字あり。

ヤナーチェクの管弦楽曲を、当時のオリジナル4チャンネル録音で

 本作はヤナーチェクの管弦楽作品のSACD。「タラス・ブーリバ 管弦楽のラブソディー」は1918年完成で作曲家中期、「シンフォニエッタ」は1926年初演で作曲家後期の作品。オリジナルLPでは「タラス・ブーリバ」がA面ですが、SACDでは「シンフォニエッタ」が先に収録されています。

 録音は1977年。オリジナルは当時流行していた4チャンネルで録音です。CD時代はその4チャンネル・オリジナル・マスターからステレオにミックスされたものが発売されていました。
 このSACDは〈スプラフォン 4chコレクション〉シリーズの1枚。マルチチャンネルにそのオリジナル4チャンネル録音を収録しています。センタースピーカーは使用せず、4本のスピーカーだけ。当時の4チャンネルサウンドが蘇ります。

素朴にして十分、完成されていた70年代4チャンネル・サウンド

 マルチチャンネルを聴くと、当時の4チャンネルの完成度が分かります。現代録音のマルチチャンネルと、なんら遜色ありません。
 オーケストラ音はステレオ音像にちかく、余計な余韻は含めないシンプルなサラウンド。演奏中は、ことさらホールトーンは感じないのですが、鳴り止んだときの、残響音の余韻は長めで格別です。
 その残響音にも個性が。現代録音のマルチの残響音が透明であるとしたら、こちらはザラっとした感触を残す残響音。残響音にも「実体を感じる」といいましょうか、アナログ録音での効果がここで出ているかもしれません。

 また「シンフォニエッタ」の14本のトランペットを中心とする金管群の強烈な響きは豪華ですし、「タラス・ブーリバ」でのベルやオルガンの、沈鬱なたたずまいは4チャンネルでの効果はありそう。音自体は、太いというより繊細なアナログ音です。
 40年以上前にすでに完成されていた4チャンネル。現代のサラウンドとひと味ちがう、素朴にして十分なサラウンドをお楽しみになれます。会場はチェコ・フィルの本拠「芸術家の家」です。

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コロムビアの〈スプラフォン 4チャンネル・コレクション〉SACD
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ノイマン指揮チェコ・フィル/マーラー:交響曲第5番 ノイマン指揮チェコ・フィル/マーラー:交響曲第2番
モラヴィッツ(p)ノイマン指揮/シューマン:ピアノ協奏曲イ短調
   
2010.12.11