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サヴァール指揮ル・コンセール・デ・ナシオン
モーツァルト:セレナータ・ノットゥルナ 他


録音2005年9月
輸入盤、AltaVox

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モーツァルト作曲
1セレナータ・ノットゥルナ
2アイネ・クライネ・ナハトムジーク
3ノットゥルノ二長調
4音楽の冗談

71ページのカラーブックレットが付く。いろいろな外国語で書かれた解説と写真。なかなか豪華である。裏表紙のモーツァルト晩年の肖像画もいい。かわいらしい神童だったモーツァルトがここでは、とうとうオッサンになっている。まだ若いのだが。

石室の響きで聴くモーツァルトのセレナード集

 サヴァール指揮/ル・コンセール・デ・ナシオンの奏でるモーツァルトのセレナード集であります。
 セレナード集なのにジャケットはなぜか歌劇「魔笛」の舞台画、夜の女王のシーンです。「ぜんぜん関係ないやないか」と突っ込みをいれたくなりますが、まあ夜の音楽(セレナード)ということで、OKとしますか。

 さて、サヴァールという指揮者、僕は初めて聴きました。ずいぶんいろいろなSACDやCDを出しているみたいですね。レーベルはAltavox。ヨーロッパのクラシックはほんとうに小さいところからSACDがどんどん出てきています。

 このSACD。ブックレット写真を見るとスタジオではなくどこかの石室みたいなところで録音したらしい。それが響き(残響)にもよく出ています。演奏は古楽器によるもの、なかなか元気溌剌の演奏です。

 「セレナータ・ノットゥルナKV239」では古楽器のティンパニの打撃音が硬くストレートで、古楽器特有の味を出してます。
 「アイネ・クライネ・ナハトムジークKV525」は、有名な第1楽章の他の楽章もいいメロディーですので、「なんだ入門曲か」と思わずに、いちど聴いてもらいたいですね。
 「ノツトゥルノ二長調(4つのオーケストラのための)K286」は、4つの合奏体を想定してモーツァルトが書いたものです。ひとつの合奏体をメインにして、あとの3つは「エコー」のような役割をもつよう書かれています。
 録音も合奏体を別々の石室においてしたみたいで、聴いてみると、たしかにエコーのように響く。
 マルチチャンネルでは、エコーをうけもつ合奏体が、後ろのほうから聞こえ、距離をおいて配置されていているのがより実感できる。
 「音楽の冗談KV522」というパロディー曲も入っています。「村の六重奏」という感じで、ちょっとふざけた音楽、ということですが、せわしない現代の耳で聞くと、それほどふざけているとも思えないです。
 第1楽章はモーツァルトの父、レオポルドの作品から旋律をそのまま使っていますが、父の死後、すぐにこの曲を作曲したモーツァルトの心境に、ブラックな愛情みたいなものを感じますね。

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2006.3.9