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児玉麻里(ピアノ)ケント・ナガノ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団
ショパン:ピアノ協奏曲第2番、レーヴェ:ピアノ協奏曲第2番

Hybrid Stereo/Multi-ch DSD Recording

録音2003年
輸入盤、Pentatone

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普通の角丸プラケースにブックレット。

オーケストラ・パートの評価は分かれようが、ピアニズムはやはりショパン

 ショパンのピアノ協奏曲第2番は、実際にはショパンの最初のピアノ協奏曲です。あとに作曲された第1番の完成度にくらべると、この第2番はやはり出来栄えが落ちる。
 僕も「どうせなら、1番もカップリングしてほしかったなあ」と思ったものだが、いざ聴いてみると、そんな不満も吹き飛んでしまった。
 この第2番は、シロウトの僕でも、聴いていると、オーケストラ・パートの物足りなさをヒシヒシと感じるのだが、「それだから余計に」と言うべきだろう、ピアノパートのロマンチックな臭いにクラクラときてしまった。
 ロマンチックといっても、第1番ほど印象に残るメロディーでもなく、正直「どんな旋律だか、わかりにくい」とも思うのだが、ひたすらピアノが醸し出してくるロマンチックな香りに、まちがいなくやられている。
 このピアニズムは、やっぱりショパンだ。

児玉麻里のピアノもブリリアント

 ショパンもすごいが、児玉麻里の演奏も相当すごいのではないか。
 ピアノの音色が、すごくブリリアントなんです。吹き出るパッションに身をまかせてしまいます。
 これはいったい、ショパンのマジックか? それとも児玉の演奏のせいか? 僕の耳では判断できませんが、かなり魅力的なピアニストだと思いました。
 ともかく児玉麻里の演奏で聴くかぎり、この不満のある協奏曲も、逆に「飽きのこない協奏曲」と、妙なところで気に入ってしまいそうです。
 マルチチャンネルで聴きましたが、音色はやわらかく、とても満足。もう一曲のレーヴェは、ベートーヴェンの時代の作曲家ながら、自分にはモーツァルト風に感じました。祝典的な曲。
 児玉麻里は他にも、ベートーヴェンのソナタのSACDが出ています。それも聴きたくなりました。彼女ならモーツァルトもいいのではないかとも思いました。

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2008.6.18