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マーティン・ヘルムヘン(ピアノ)ゴルダン・ニコリッチ指揮オランダ室内管弦楽団
モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番、第27番

B00CZ9CN9U
Mozart:
Piano Concertos No.15 & 27

Martin Hdelmchen
Netherlands Chamber Orchestra
Gordan Nikolić

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録音2013年1月
輸入盤 Pentatone

収録曲

モーツァルト
ピアノ協奏曲第15番 K.450
ピアノ協奏曲第27番 K.595

トータル55分27秒

角の丸いプラケースにブックレット。

ブックレットにはライナー。写真は最終ページにヘルムヘンの顔が1枚だけ。

 


ハツラツの第15番、透明な第27番

 本作はモーツァルトのピアノ協奏曲、第15番と第27番を収録したSACDです。ピアノはマーティン・ヘルムヘンで1982年ドイツ生まれ。2009年よりPentatoneの所属となりました。さっそく聴いてみます。

 モーツァルトのピアノ協奏曲は、ウィーン時代の第20番台の作品が有名ですが、第15番も負けず劣らず名作です。
 特に第1楽章、第3楽章はハツラツとしていて、とても楽しい。第2楽章は晩年の作品に通じる“深み”あり、名曲だとつくづく思います。

 いっぽうピアノ協奏曲第27番は、モーツァルト最期に作曲された傑作です。晩年特有の透明な曲。サッパリとした第15番のあとに、シミジミと晴朗な世界を聴くことができて、絶妙のカップリングと思います。

裾野まで無色の音が広がるマルチチャンネル

 オーケストラは室内管弦楽団といいながら、SACDでは濃密な音です。重厚というほどではないですが、モダン楽器らしい、しっかりとした厚みを感じます。
 スタインウェイ・ピアノも安定した音であらわれます。

 PentatoneのSACDは2chも素晴らしいですが、なんといってもマルチチャンネルで聴くのが好きです。
 2chではどうしても、音場に「額縁」のような限界を感じてしまうのですが、マルチチャンネルでは「額縁」は取り払われます。

  オーケストラの音が前方に広がるところまでは、2chと同じですが、音の「気配」は裾野がひろがるように、自分の後方まで回り込んできます。
 じつは前方の音場も2chより深い。クラシックでは、こういうサラウンドが本当に聴きやすいです。

モダン楽器のモーツァルトに興味が

 今やモーツァルトの場合、古楽器で聴くことが珍しくなくなった時代です。僕もモーツァルトでは、まず古楽器を好んで聴くほうです。

 でも本作のように、モダン楽器によるモーツァルトも嫌いではありません。
 ひと昔前は「古楽器のモーツァルトって、どんなだろう?」と聴いていたものですが、最近は逆で「モダン楽器のモーツァルトって、どんなだろう?」と興味がわいてきました。
 モダン・ピアノやモダン・オーケストラで、モーツァルトらしい音楽に出会うと、うまいなあと思うわけです。

豊かな音をベースに、モーツァルトをいただく

 そういう意味で、このSACDの演奏も気に入りました。
 オランダ室内管弦楽団の、厚みのある豊かな音に、ヘルムヘンのキラキラとしたピアノが絡みます。モーツァルトが書いた、木管や弦楽器との対話を堪能しました。
 細かいフレーズ処理に、好みと違うところもありましたけれど、みんな同じ演奏ではつまらない。それもまた楽しい出会いです。

 まとめれば、豊かな音をベースに、モーツァルトのオイシイ音楽をいただける。そんな時間を過ごせるSACDでした。  

B00CZ9CN9U
W.A. Mozart/Piano Concertos 15 & 27

そのほかのヘルムヘンのモーツァルトSACD
B000UTOLEC Martin Helmchen/Piano Concertos in C K415 & K491
2014.7.13