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マレイ・ペライア(ピアノ&指揮)
バッハ:ピアノ協奏曲第3,5,6,7番

マレイ・ペライア(ピアノと指揮)
アカデミー・イブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
録音2001年

国内盤、ソニー・クラシカル

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SACD専用ディスクです。

ペライアは70年代から80年代にかけて、たいへん美しいモーツァルトのピアノ協奏曲の弾き振りで、魅了してくれた。僕は大好きで、SACDでも持っています。

そして、90年代の故障から復帰後は、バッハで新たな境地を切り開いております。『ゴールドベルグ変奏曲』もSACDで出ておりますヨ。

ピアノによるバッハの鍵盤楽器協奏曲

 バッハの「ピアノ協奏曲」は、「チェンバロ協奏曲」とも言う。時代的に、当時はピアノはなかったわけから、チェンバロで弾く「チェンバロ協奏曲」と呼ぶのがふさわしいと思うのだが、実際は「チェンバロ協奏曲」でも、正しくないらしい。
 バッハの生きた当時、チェンバロはただの伴奏楽器だったのだ(その伴奏楽器のチェンバロに初めてソロをさせた「ブランデンブルグ協奏曲」は画期的)。
 ほかには、チェンバロより音の強弱の表現ができたクラヴィコードというのもあった。
 つまり、バッハの時代に鍵盤楽器は、現在ほど決まっていなかったみたいですね。地域でもちがっていたみたいです。

 最近そんな話を、あるピアニストの人から聞かせてもらった。
 そこでピアノによるバッハである。
 「ピアノの表現力のほうが、バッハの楽譜が望んでいるように演奏できる」
 とその人は言っていた。なるほど。
 今まで、バッハ演奏におけるピアノは、チェンバロの代役だと思っていたのが、実は「よりバッハに近づく楽器」であるんですね。

バッハの歌心に迫るのかな。ペライアのピアノ

 そう思って聴くと、このペライアの『バッハ:ピアノ協奏曲』は、「すごい表現力だ!」と、イッパツで気に入ってしまいました。
 ペライアの弾くピアノが、人間の声のように、つまりバッハが書いた「マタイ受難曲」やカンタータのアリアのように、いろいろなニュアンスで語りかけてくる。バッハが望んだ旋律は、こんな感じだっただろうか。
 じつのところ、このSACDの原題は『ピアノ協奏曲』ではない。ちゃんと『BACH : KEYBORD CONCERTS』となっている。日本語曲目でも〈鍵盤楽器協奏曲〉とカッコ書きしてある。
 バッハの鍵盤楽器協奏曲にこめた歌に迫るペライアの演奏が味わえます。ピアノの音色も相変わらず、美しいです。

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2006.9.9