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イ・ムジチ合奏団
ヴィヴァルディ:協奏曲集《四季》、ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV271《恋人》


イ・ムジチ合奏団
ヴィヴァルディ:
協奏曲集《四季》
Tower Records
Amazon


国内盤

リニアPCM
・96Khz/24bit
・192Khz/24bit

ヴィヴァルディ:
協奏曲集《四季》
 録音1959年

ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV271《恋人》
 録音1957年

フェリックス・アーヨ(ヴァイオリン)
イ・ムジチ合奏団

アーヨのヴァイオリンによるイ・ムジチの《四季》

 日本でよく売れたイ・ムジチの『ヴィヴァルディ《四季》』。そのBlu-ray Audioを聴いてみました。
 イ・ムジチは何度も《四季》を録音していますが、これはフェリックス・アーヨがソロ・ヴァイオリンの1958年録音のもの。同じアーヨでのモノラル録音が第1回目で、これが第2回目、初のステレオ録音です。

 SACDラボの世代ですとイ・ムジチの《四季》といえば、ロベルト・ミケルッチがヴァイオリンの69年録音盤が大ベストセラーとして印象深いですが、やはりアーヨのステレオ盤のほうが人気は高いですね。
 このアーヨ盤は2004年くらいにSACDハイブリッドで発売になりましたが、現在は廃盤で手に入れられません。このBlu-ray Audioが唯一の高音質盤と言えましょう。

59年のステレオ録音を滑らかな音肌で

 Blu-ray AudioはPCM192kHz/24bitと96kHz/24bitで収録。リモコンの色ボタンで切り替えることができないので、トップメニューの画面で切り替えるしかありません。SACDラボはリモコンのブラインドタッチを記憶して対処しております(^-^;。

 さっそく聴いてみると、1959年録音とは思えない、滑らかな音肌を感じます。
 かといって冷たくもありません。浪々とたっぷりと鳴ってくれるので、それだけで満足してしまいます。レコードならこんなに滑らかな音肌ではないだろうなと思います。実際パッケージで確かめるまでは、60年代に入ってからの録音と勘違いしていた音です。

 それにしても、イ・ムジチはやはり明るい。演奏が明るいという以上に“体質”として明るい。たとえば同じ室内オケであるアカデミー室内管弦楽団などと比べると如実に感じますね(アカデミー室内管弦楽団の《四季》もいいみたいですが)。

SACDハイブリッドと聴き較べてみる


右がSACDハイブリッド盤。発売になった頃はまだフィリップスのレーベルがあった。

 次にSACDラボは2004年発売のSACDハイブリッド盤も持っているので聴き較べをしてみました。
 SACDの音の鳴り方や音肌は、Blu-ray Audioとほとんど違いはないなと思いました。意外と差はでなかったです。
 ただSACDのほうが若干音が沈むというか、音が“つや消し”になるような気配。言葉を変えれば「アナログ・ライク」ということだと思います。
 とはいってもBlu-ray Audioもデジタル臭くないですし、遜色のない音だと思います。先に書いたようにイ・ムジチ自体が明るい音色なのですからBlu-ray Audioでも相性はいいかと。

Blu-ray Audioは、家の再生環境がいまひとつ

 ただSACDラボのオーディオ環境では、Blu-ray AudioはSACDよりも明らかに不利なので、音の比較も考えものです。
 Blu-ray Audioの出力は、ブルーレイ・レコーダーから「HDMI」でヤマハのAVアンプヘ。そこからプリアウトでアキュフェーズのアンプE-370へ。
 ブルーレイ・レコーダーのラインアウトから直接E-370へも考えられますが、ブルーレイ・レコーダーのD/Aがどれだけ期待できるかというと、あまり自信がありません。
 Blu-ray Audioを聴く場合、我が家では再生系統のハンディも考慮に入れる必要があるわけです。
 そういう条件でも、あからさまな違いが出なかった、この《四季》のBlu-ray Audioは健闘しているのではないかと思います。


イ・ムジチ /ヴィヴァルディ:協奏曲集《四季》
Tower Records
Amazon

2017.1.24