topaboutblogclassicaljazzpopsjpopselect
S

鈴木秀美(チェロ)平井千絵(フォルテピアノ) 
メンデルスゾーン:チェロとピアノのための作品全集


録音:オランダ、2006年7月
国内盤

Amazon

チェロ・ソナタ第1番変ロ長調
協奏的変奏曲ニ長調Op.17
チェロ・ソナタ第2番ニ長調
アルバムブラット ロ短調
無言歌ニ長調

メンデルスゾーンっていいのね、と知った一枚

 メンデルスゾーン(1809-47)は、たまに「無言歌」を耳にするくらいで、僕のなかでは、まったく興味のなかった作曲家でしたが、このディスクを聴いて考えをあらためました。
 のびやかで雄大なメロディーがとても印象に残りました。メンデルスゾーン生誕200年も近いことだし、これからは意識してメンデルスゾーンを聴こうと思います。

 さて、第1曲「チェロ・ソナタ第1番」から、鈴木秀美のチェロ(グァダニーニ)の息ずかい、音色に魅惑されてしまいます。
 古楽器の特有の透明感が素晴らしい。フレスコ画のような繊細なテクスチャーがSACDで堪能できます。「チェロは倍音の宝庫」と誰かから聞いたことがありますが、確かに、この脳に染み込むやわらかさは、他の楽器ではないものでしょう。

 もうひとつ、この演奏を魅力的にしているのが(また、なくてはならないのが)、伴奏のフォルテ・ピアノです。フォルテ・ピアノ独特のこの音色がなければ、いかに繊細なチェロの音も台なしになってしまうでしょう。
 平井千絵の弾くフォルテピアノは1844年製。
 一般にフォルテピアノというと、モーツァルト時代の「ペタペタ」した音色を思い浮かべる人も多いかと思いますが、このフォルテピアノは、だいぶ現代のピアノにちかずいた、力強さもそなえていました。
 作曲家の生きた時代の楽器なので、なんとなく、曲も居心地よさそうです。チェロとフォルテピアノの音が、バランスよく溶け合っているのが感じられる。叙情的な旋律が、より伸びやかに聞えるのは、そのせいかもしれません。

Amazon
Amazonバッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)

2006.11.25