topaboutblogclassicaljazzpopsjpopselect
S

ヴォロドス(ピアノ) ヴォロドス・プレイズ・リスト

VOLODOS
PLAYS LISZT

輸入盤、SONY CLLASICAL

Amazon

輸入盤ですが、いちおう、ここに曲目を日本語で書いておきます。ご参考にしてください。

  1. 巡礼の年第1年「スイス」より「オーベルマンの谷」 
  2. 巡礼の年第2年「イタリア」より「物思いに沈む人」
  3. 2つの伝説 「小鳥に説教するアッシジの聖フランシスコ」
  4. 無調のバガテル
  5. ハンガリー狂詩曲第13番イ短調
  6. 巡礼の年第2年「イタリア」より「婚礼」 
  7. バッハのカンタータ「泣き、嘆き、憂い、おののき」による前奏曲
  8. 「詩的で宗教的な調べ」より「葬送」
  9. 悲しみのゴンドラ(第2版)
  10. 夢の中にー夜想曲

リストの深み、超絶技巧がなんなく染み入るヴォロドスの演奏

 1972年、聖ペテルブルグ生まれのピアニスト、アルカーディ・ヴォロドスのリスト作品集がSACDで出ていましたので聴いてみました。輸入盤です。

 超絶技巧として知られるリストの作品。
 ヴィルトゥオーゾ・ピアニストであるヴォロドスが、「どこまで弾きまくるか」を楽しみに聴いたのですが、これは、そんな“幼稚な興味”が恥ずかしくなるような、演奏でした。
 リストの作品自体に内含する、高度な(そしてちょっと飛んじゃっている)精神性もあるのでしょうが、すごく深みのある一音一音を、ヴォロドスは弾いていきます。
 当時リストの演奏では、貴婦人達が「キャーキャー」言ったそうですが、ここに収録された曲は「キャーキャー」とは、ほど遠い深み、があるのだがなあ。
 まあ、それはともかく。わたしみたいなシロウトでも、またオーディオで聴いていても、「このピアノの静寂の表現はすごいな」と思ったくらいなんです。

 もちろん超絶技巧の部分もスゴイ。一転してヴォロドスは、こちらが身を硬くしてしまうほどガンガン弾きますが、それでも音のハーモニーは崩れないし、綺麗に鳴るのですから、これも心に染み入る。まいってしまいます。
 ここに収録された曲は、流し聴きをしてしまうと、たぶん「なにをやっているかわからない」曲ですが、じっくり聴くと、1曲1曲がかなり濃密でいい曲でした。ヴォロドスの演奏とあわせて、リストのいいものに出会えたと思いました。

 聴いたのは、もちろんSACDマルチチャンネルで。
 スタイン・ウェイ・グランドピアノが、目の前にがく然とあらわれます。リスニングルームが濃密な響きに満たされるのも、よかったです。うなるフォルテッシモから、消え入るようなピアニッシモまで、ピアノ1台でオーケストラ並みの空間。

Amazon

ヴォロドスの他のSACD
Amazonチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
AmazonRachmaninov: Piano Concerto No. 3; Solo Piano Works [SACD]

2007.7.16