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ボルトン&バイエルン国立管弦楽団、アニャ・ハルテロス(S)、ヴェッセリーナ・カサロヴァ(Ms)
ヘンデル:歌劇『アルチーナ』全曲

ディスク
Handel Alcina


録音:2005年7月
ミュンヘン、プリンツレゲンデン劇場(ライヴ)
輸入盤、FARAO CLASSICS
SACDハイブリッド3枚

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箱入り。ブックレットには英語、ドイツ語、イタリア語の歌詞全曲。ストーリー解説。舞台写真少々。

3枚のDISKは各、紙の入れ物に。紙には舞台シーンのカラー写真。

ヘンデルのバロックオペラのライヴ録音

 ヘンデルの『アルチーナ』は、1735年にロンドンのコヴェントガーデンで初演されたバロック・オペラです。ストーリーは、魔女アルチーナの島での、アルチーナと騎士ルッジェーロの恋。それにルッジェーロの婚約者等々が加わってのお話。
 話しの中に男装の女性が登場したり、実演では男役ルッジェーロ(ジャケット写真下)をメゾ・ソプラノが演じたりとややこしいので、ここでは音楽と音だけをレビューしたいと思います。
 バロック・オペラですが、ヘンデルらしい、ノリのいいアリアが結構あります。コロラトゥーラを駆使することも多い。DISK2トラック17のアルチーナ(アニャ・ハルテロス)のアリアは聴かせてくれます。

劇場にいる空間になるマルチチャンネル

 クラシックのマルチチャンネルは「劇場にいる臨場感」とよく言われますが、このマルチチャンネルは、本当に劇場の雰囲気が感じられるサラウンドなので、できればマルチチャンネルで聴いてもらいたいソフトです。
 録音はミュンヘンのプリンツレゲンデン劇場(写真)でのライヴ。
 すっきりとして透明なサラウンド空間があらわれます。360度自分の周りに空間が広がっている感触。残響音が透明なので、普通のマルチチャンネルと比べて、圧迫感がまったくありません。
 歌手がバタバタと舞台を歩く音や、効果音もそのままストレートに鳴り響きます。演じられているものを聴いている。そんな劇場の臭いも伝えてくれるマルチチャンネルです。

オーケストラと声楽陣

 「劇場にいるようなサラウンド」ですので、オーケストラは各楽器が溶け込んだ臨場感のある音です。少々金属的な音ですので古楽器なのでしょうか。そこは未確認です。
 声楽は、舞台の上で演じられているニュアンスが伝わってきます。
 ボルトン指揮のバイエルン国立管弦楽団の演奏は、大変躍動感があるもので、DISK3「第3幕」のトラック12のアリア「Sta nell'Ircana Pietrosa tana」などは、この歌劇で最も盛り上がったところでしょう。メゾ・ソプラノのカサロヴァも、一番の歌声を聴かせます。
 聴いていて「こりゃ、ブラボーだろうな…」と予測すると案の定、観客の「ブラボー!」と、粒建ちのいい拍手が、自分の周りにわき起こりました。緊迫感と素晴らしさが、サラウンドを通じて肌に感じたのです。
 フィナーレの雷の効果音は、低音が天井から降ってきそう。オーディオ的にも聴き所でした。

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バイエルン国立歌劇場のSACD
B000JVSWHS ヴェルディ歌劇『椿姫』ズービン・メータ指揮バイエルン国立歌劇場
ズービン・メータが指揮。ヴィオレタは『アルチーナ』でアルチーナを歌っているアニャ・ハルテロス
2011.2.22