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ロバート・キング指揮キングス・コンソート、キングス・コンソート合唱団
ボッケリーニ&ダストルガ:「スターバト・マーテル」


録音1999年、ロンドン
輸入盤、hyperion
SACDハイブリッド

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角の丸いプラケース。

ブックレットには原語と英語訳の歌詞。キングによる、ボッケリーニとダストルガに関して、それぞれのライナー(英仏独)。

ボッケリーニの「スターバト・マーテル」、純粋に「いい曲だわ〜」

 本作はボッケリーニとダストルガ、ふたりの「スターバト・マーテル(スタバト・マーテル)」を収録したSACDです。ジャケットの絵は重く、暗い雰囲気ですが、音楽はちがいます。どちらの「スターバト・マーテル」も明朗で、透明な曲。演奏は古楽器のキングス・コンソートです。

 ボッケリーニは、だいたいモーツァルトと同時代の作曲家。
 モーツァルトの宗教曲と同様に、ボッケリーニの「スターバト・マーテル」も、冒頭こそ荘厳ですが、全体は透明で晴朗な曲調です。明るく光のさした世俗的なメロディがとてもいいのです(おすすめは、二人のソプラノとテノールの歌う第7曲「Tui nati vulnerari」)。
 実際、個人的には、名曲とされるベルコレージの「スターバト・マーテル」より、このボッケリーニのほうが好きです。古典派らしい、端正な室内楽的な弦楽。合唱はなく、ソロやデュエットが優雅に歌い上げます。
 宗教曲でありながら、モーツァルトの『レクイエム』やフォーレの『レクイエム』を聴くように、純粋に「いい曲だわ〜!」と心躍る曲です。

ダストルガの「スターバト・マーテル」

 もうひとりの作曲家、ダストルガはこのSACDを聴くまで知らない作曲家でした。1680年生まれとあるので、バッハと同じバロック期の作曲家。
 この「スターバト・マーテル」もいいですねえ。こちらはバロック期とあって、曲は透明で、各ソロが旋律的に絡み合う。リュートやオルガンも伴奏に加わります。そして透明な合唱曲も一部に含まれます。
 これも有名曲らしいですが、初めて聴いてすごく好きになりました。メロディが明快な気がしました。伴奏はほとんど数人という感じ。声楽をメインに、明るく響きわたります。

SACDステレオでの収録。マルチチャンネルはなし。

 小編成の宗教曲ですから、豊かな残響の中で聴きたかったのですが、マルチチャンネルは収録されておらず、残念でした。
 でもSACDステレオで聴いても、それはそれで良かったです。音が現場から取り出したように、自分の部屋の前方に現れます。

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このディスクのSACDラボレビューがあります。
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2010.10.3