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ダニエル・ルイス指揮 RIAS室内合唱団
ストラヴィンスキー「結婚」、ミサ曲、カンタータ

DANIEL REUSS
Stravinsky : Les Noces/CANTATA/MASS

輸入盤、harmonia mundi

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デジパック風。わりと厚い解説書。ただし歌詞部分が多いけど。紙は上質です。harmonia mundiのSACDはパッケージがいいですね。

三大バレエと同じくらいいい、ストラヴィンスキーの名曲「結婚」

 バレエ・カンタータ「結婚」は、ディアギレフのロシアバレエ団の舞台のためにつくられた曲です。有名な三大バレエよりはあとの作曲。しかし今日聴いても、すごいいい曲です。
 独唱と合唱によるロシアの民衆の結婚の儀式を描いた曲。
 伴奏は4台のピアノ、パーカッションという編成。これがリズムを強調します。4代のピアノ、すごい編成ではありませんか。
 生気あふれるリズムは、あの三大バレエ「春の祭典」並みであります。個人的には、ストラヴィンスキー名曲3本の指にいれている曲です。

「ミサ曲」は第二次大戦後、ストラヴィンスキーの新古典主義時代の宗教曲ですが、「結婚」とはがらっと変わって、フォーマルな形式ですが、かなり評価は高いようです。
 しかしここでもストラヴィンスキーは編成にこだわります。伴奏はブラスだけという独特の編成で効果を出している。
「カンタータ」は古いイギリスの話をテキストにしていて、こちらは「ミサ曲」の数年後1952年の作品。新古典主義から、無調をとりいれはじめたころの作品で、こちらもいいです。伴奏の編成はもっと少人数。

 初期のバーバーリズムあふれる作品から、ストラヴィンスキーという人物の宗教心はないがしろにされがちですが、晩年は20世紀宗教作品の傑作をたくさん生み出しているんですね。
「ミサ曲」と「カンタータ」は、どちらも宗教曲といっても、ストラヴィンスキーの才気あふれたもので、敬けんな雰囲気ではありますが、辛気臭いものではないのでご心配なく

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2008.1.25