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ヘルムート・リリング指揮シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム
バッハ:ミサ曲ロ短調

HELUMUTH RILLING
BACH
MASS IN B MINOR BMV232

録音2005年2月
hanssler classic、2枚組、輸入盤

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バッハの大作宗教曲のひとつ、これがカッチョイイわけで

「ミサ曲ロ短調」は、バッハの大作宗教曲のひとつです。
「マタイ受難曲」や「ヨハネ受難曲」はもちろん素晴らしいけれども、そのストーリー性ゆえ、時に聴くのにシンドク、まどろっこしい時がある。
 その点「ミサ曲ロ短調」は、(声楽をともなう宗教曲ですが)バッハの器楽曲のように、純粋にサウンドとして楽しめるところが好きです。もちろん、バッハの宗教的感慨も伝わってきます。早い話、「ミサ曲ロ短調」は、全編がすごくカッチョイイ曲なんですよね。
 これは「ミサ曲ロ短調」を数多く録音してきたヘルムート・リリングの新録音。リリングは昔から好きでしたので、楽しみに聴きました。

 最近は古楽の影響で、小編成の演奏が流行りですが、バッハの大作宗教曲も例外ではなく、小さいオーケストラ、最少人数の声楽陣(合唱も4人とか!)の録音が多いです。
 確かに小編成の見通しのいい響きは魅力ですが、やはり物足りなくなる。昔のカール・リヒターのように、重みのある響きでバッハを聴きたくなるものです。
 このリリング盤は、そんな希望にピッタリで、それも買った理由です。充実した編成と合唱で、昔ながらのバッハ演奏の深みを十分に堪能できました。音の厚みのバランスが、ほどよく、いいんですよね。「ミサ曲ロ短調」の“よさ”が見事に聴けました。

こんな再生音で聴ける「ミサ曲ロ短調」の時代が来るとは

 マルチチャンネルによるサラウンド再生による「ミサ曲ロ短調」は最高です。昔からの、それこそカセット・エアチェック時代からの、この曲の愛好者としては「こんな再生音が体験できる時代が来るとは、ううう!」と感慨もひとしお。
 前方に広がるオーケストラと合唱の響き、オブリーガードを歌うソロ楽器の響きが実に美しい。そして独唱声楽陣の声が、その前方に現れる生々しさ。つくづくSACDはいいなあ、と思いました。

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2007.4.8