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ポール・ヒリヤー指揮 シュトックハウゼン:Stimmung

Hybrid Stereo/Multi-ch
輸入盤、harmonia mundi

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現代音楽のカリスマ、シュトックハウゼンの声楽曲

 2007年に現代音楽作曲家カールハインツ・シュトックハウゼンが亡くなりました。
 このStimmungという作品は、シュトックハウゼンの60年代の作品のようです。ただしこのSACDの録音は、2006年のCopenhgen Versionによるもの。演奏は現代音楽を数多く演奏してる、ポール・ヒリヤーが指揮。ソプラノからバスまでの6人のヴォーカルだけによって演奏される「声の音楽」です。楽器はいっさいなし。

 最初チベットのお経のような唸り声。次には、音波をなぞったような声。それからいろいろな言葉(歌詞)。いろいろな発生の声。
 歌詞として発せられる言葉は、ブックレットに「Magic Names」として紹介されています。どれもインドや、オセアニアやアフリカの神のようです。
 曲はいろいろなアンサンブルで、とうとうと続いていきます。時間にして1分未満から5分くらいまでの、Modelと称される小さなパートが切れ目なく続くトータル78分の演奏。

 マルチチャンネルですが、ジャケット裏には車座になって座る歌手が写っているので、「これは、前後左右から声が出てくるのでは」と予想したのですが、ヴォーカルは前方から左右に広がる感じで、ことさら後ろからというわけではありませんでした。普通のクラシックのマルチといえますね。もちろん声の残響音は、部屋全体に広がります。

 こういう曲は最初聴いた瞬間、環境音楽みたいで、「なかなか、いいな」と身を任せられるものですが、15分くらいしてくると飽きてくるものです。
 でも、そのあとがありまして、意外と聴くたびに新鮮だから、ディスクを売り払うこともなく、案外レコード棚にいつまでも残っているわけです。

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2008.9.21