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デボラ・ポラスキ(ソプラノ)他
ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』ハイライツ/デュエット集


Wagner: Tristan und Isolde (Highlights)
Hybrid Stereo/Multi-ch
録音2003年12月
輸入盤、OEHMS CLASSICS

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Bertrand de Billy (指揮),
Richard Wagner (作曲),
Wiener Rundfunkorchester
Deborah Polaski (イゾルデ)
Heidi Brunner (ブランゲーネ)

普通の角が丸いプラケース。ブックレットは英語解説あり。しかし歌詞は原語、英語ともなし。初めて聴く方は、ご注意されたし。約65分の収録。


参考:こちらが『トリスタンとイゾルデ』デュエット集
第1幕第5場、
第2幕第2場、
第2幕第3場より
デボラ・ポラスキ(ソプラノ:イゾルデ)
ヨハン・ボータ(テノール:トリスタン)
ハイデ・ブルンナー(メゾ・ソプラノ:ブランゲーネ)
ウィーン放送交響楽団
ベルトラン・ド・ビリー(指揮)
録音:2004~2005年、オーストリア放送クルターハウス

ワグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』、イゾルデの歌うハイライト盤

 これはワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』の聴きどころを1枚に収めたハイライト盤です。
 ワーグナーの楽劇は、切れ目なく演奏されるので、聴きどころを1枚に抽出するのはむずかしく、オペラの全貌とは離れてしまうのですが、入門としては良いと思います。
 それに、全曲を通して聴くのは骨が折れる。夜のひとときを『トリスタンとイゾルデ』の官能的な音楽に浸りたいと思った時、とりあえず、このハイライト盤はピッタリなのです。
 ただし、このハイライト盤に収められているのはイゾルデとその従者ブランゲーネの歌う部分だけである。トリスタンの歌う部分は収録されていない。それでも有名な前奏曲や、イゾルデの「愛の死」が収録されており、1枚物として聴いてもメリハリはある。収録部分は以下のとおり。

・前奏曲
・第1幕第3場 ・第2幕前奏曲と第1場
・第3幕前奏曲
・第3幕第3場
・第3幕「イゾルデの愛の死」

これぞ陶酔のきわみ。ハイライトとはいえ、どっぷりとつかるのです

 いつものようにマルチチャンネルで聴く。第3幕のイングリッシュホルンのみによる長いソロで残響が立体的になり、サラウンドを実感する。
 イゾルデを歌うデボラ・ポランスキは、アメリカ出身の歌手とのこと。ヨーロッパでは活躍しているようで、「指輪」のブリュンヒルデも歌っているようだ。確かに聴いていて不満はなし。
 ハイライトとはいえ、この官能の音楽を高音質で聴くのはごちそうである。前奏曲から、うねるような音楽にどっぷりとつかるわけです。そして最後はイゾルデの歌う「愛の死」。陶酔のきわみ、とはこのことで、約65分間がわりと早く感じた。
 それでも「トリスタンが出てこないのは不満だ!」と思ったアナタ、ご安心ください。同じメンバーで『「トリスタンとイゾルデ」デュエット集』というのが出ているようです(左参照)。こちらはトリスタンとイゾルデの二重唱を集めたもの。二枚そろえると“カンペキなハイライト盤”になるのかな……。

『トリスタンとイゾルデ』ハイライツ
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『トリスタンとイゾルデ』デュエット集
AmazonWagner: Tristan & Isolde Duets

2008.2.8