topaboutblogclassicaljazzpopsjpopselect
S

ニコラウス・アーノンクール指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ヴェルディ:レクイエム

Hybrid Stereo/Multi-ch
録音2004年12月、ライヴ
国内盤、輸入盤、RCA、2枚組

Amazon

“静”と“激”、ヴェルディの宗教曲をマルチチャンネルで

 モーツァルトの「レクイエム」、ヘンデルの「メサイア」など、宗教曲がコンスタントにSACDでリリースされているアーノンクール。これはヴェルディの「レクイエム」(死者のためのミサ曲)です。

 たとえ宗教曲でもヴェルディというと、「お、オペラみたいか?!」と意識して聴いちゃいます。
 自分だけかと思ったら、世界的にも“オペラ的”に聴く傾向はあるようです。ヴェルディは「オペラのように演奏するべきではない」と言っていたらしいですが。
 このSACDを聴いたところ、歌唱陣はかなりストイックな歌い方に思いました。それだけに、逆にヴェルディ自身のもつ「素のオペラ気質」も感じたわけですが、なによりこの曲のもつ敬虔なところに、改めて感じ入りました。

 マルチチャンネルでは、ウィーンのムジークフェラインザールの空間に、ウィーン・フィルとアルノルト・シェーンベルク合唱団のサウンドが広がります。
 静寂な部分と、激しい部分のコントラストはすごいです。「怒りの日(ディエス・イレ)」でのトゥッティ。ティンパニ、大太鼓の連打は迫力があります。
 マルチチャンネルでの聴きどころは、トラック3「不思議のラッパ」です。オーケストラ内のトランペットと、劇場のどこかに配置されたトランペットの掛け合いが広がる。ヴェルディの意図した“最後の審判”を告げる、不気味で、立体的な効果がリスニングルームでも再現されるわけです。

Amazon

2008.4.16