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マレク・ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団
ワーグナー:ニーベンルングの指環〈ワルキューレ〉全曲


Wager
Die Walkure

Marek Janowski
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin

Amazon


録音2012年11月24日、
ベルリン、フィルハーモニーでのライヴ
輸入盤 PENTATONE
SACDハイブリッド4枚組
歌詞

マルチチャンネルの空間の深さでワーグナー・サウンド

 ペンタトーンがワーグナーの主要オペラを録音した《ワーグナー・エディション》の1枚です。ベルリンのフィルハーモニーのライヴをマルチチャンネル収録しています。

 マルチチャンネルで聴くと、深みのある立体的空間がステージにあらわれます。オーディオにこだわるクラシック・ファンとしては、この空間でワーグナーが聴けるだけで、もう満足。

  最近はハイレゾ・ブームで 高音質を求める人も多いと思いますが、2chとマルチチャンネルでは、やはり次元が違います。
 ハイレゾ(2ch)で満足して、マルチチャンネルを素通りしているとしたら、本当にもったいない。特に50代以上の方は余生も限られてくるのですから(笑)、「究極のクラシック音場」ともいえるマルチチャンネルをぜひ聴いてほしいものです。

 ということを思うくらい、素晴らしいマルチチャンネルの空間で聴けるワーグナー・サウンドがこのSACDでした。オーケストラの重厚さや、声楽の広がりが、ベッタリとせずリアルに響きます。


ワーグナーのオペラでは人気作『ワルキューレ』

 本作はSACDハイブリッドの4枚組。トータルで3時間36分です。「うわ、長い」とお思いの方もいるでしょう。
 しかし『ワルキューレ』はワーグナーのオペラのなかでは、『タイホイザー』とならんで、聴きやすいオペラだと思います。もちろん〈ニーベルングの指環〉四部作なかでは、一番親しみやすいでしょう。

 第1幕のジークムントとジークリンデの二重唱の陶酔感。
 第2幕のおなじみ「ワルキューレの騎行」。ブリュンヒルデの「ホー・ヨー・トー・ホー」(と歌うんです)。
 第3幕のワルキューレたちの歌唱と、のちの第3夜『神々の黄昏』のメインテーマである「愛と救済の動機」の初出場面、感動のエンディングなど、3時間36分は退屈しません。

 それでも全曲は通してなかなか聴けませんから、4枚のディスクを、1回に1枚聴くことにして楽しんでおります。ディスク1が第1幕、ディスク2と3(短め)が第2幕、ディスク4が第3幕です。

初心者に、ワーグナーを楽しむコツ

 最後に、SACDラボなりの、初心者がワーグナーのオペラを楽しむコツを書いてみます。

 まず「管弦楽曲として聴く」。
 歌手のメロディは自然に耳に入ってきますから、それはほっておいて、バックのオーケストラの演奏に注意をむけると「面白い管弦楽曲だ、面白い交響曲だ」と感心することしきりです。
 マーラーなみに面白いと言うと、ちょっとズレているかもしれませんが、ワーグナーの書いたオーケストラは、それくらい面白いです。R.シュトラウスよりは面白いのではないかと思います。

 あと「好きな場面を見つける」があります。
 オペラ全編を通じて面白いわけではないですから、自分が熱狂できる場所を見つけて、最初はそればかり聴いてみるとよいでしょう。
 『ワルキューレ』なら第1幕の後半ジークムントとジークリンデの二重唱とかですね。すると、だんだんワーグナーのオペラに慣れてきて、他の部分も好きになれるかと思います(第二夜『ジークフリード』はなかなか厳しいですけどネ)。

 では、ペンタトーンの高音質サラウンドで、どうぞ『ワルキューレ』をご堪能ください。

B00CZ9CMNC
Die Walkure

SACDレビュー
ワーグナー:〈ラインの黄金〉全曲/ヤノフスキ
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2015.3.8